根拠もなく盲信されている「体重は重い方が良い」という考え方
日本の野球界では未だに飛距離を伸ばすために体重を増やす、ということが妄信され続けています。確かに体重移動をして打った場合、体重は軽いよりも重い方がボールにぶつけられるエネルギーは大きくなります。しかし指導者はそろそろ、体重移動をする打ち方ではミート力はアップしないということを学ばなければなりません。
実はプロ野球選手の中でも、平気で「体脂肪率21%です」と話す選手がいます。しかしこれはアスリートとして恥ずかしい数字だということを知るべきです。日本の中高の野球チームではドカベンを食べさせることにより無理やり体重を増やしているチームがあります。しかしこのやり方はコラム内でも何度か取り上げたように、完全に間違いです。
確かに落合博満選手は細身の体をあんこ型にすることによってホームラン数を伸ばしました。しかし落合選手には確かな技術があったため、このやり方が上手くいったのです。しかし技術がない選手が体重を増やしただけでは、ただ体が重くなるだけで、パフォーマンスを向上させることはできません。
スピード+重さ+正確性で飛距離をアップさせよう!
スポーツ選手にとって必要なのは、少ない体脂肪率で増やす体重です。例え体重が90kgあったとしても、体脂肪率が18%以上あっては本末転倒です。アスリートの場合15%でもまだ多く、科学的には12%未満が望ましいとされています。しかし先にも述べた通り、日本はプロ野球選手でさえ平気で「体脂肪率は21%です」と言ってしまっています。
打球の飛距離を伸ばすためには「スピード+重さ+正確性」が重要になってきます。「スピード+重さ」でパワーを計るわけですが、そこに正確性が加わってこないと、ヒットの本数は増えません。当たれば飛ぶけどまったく当たらない、というタイプのバッターになってしまいます。
無闇に体重を増やしてからスピードをアップさせることは困難です。まずスウィングスピードを速くして、その速さをアップさせながら体脂肪率を減らしながら、体重を増やしていくのがベストです。そうすれば、正確性も飛距離も同時にアップさせるための下地を作ることができます
長打力をアップさせるのは体重ではなく技術!
ちなみにBMIの数値でコンディションを測ることもありますが、これはアスリートにはあまり有効的な数値ではありません。BMIでは体脂肪率や筋肉量を見ることはできませんので、BMIというのはあくまでも一般の方の痩せ過ぎ、太り過ぎを測るための目安です。
体脂肪率によってスウィングスピードをアップさせることはできません。そして体脂肪率というのは質量としては筋肉よりも軽く、そして柔軟性もありません。つまり体脂肪率が高ければ高いほど、体のキレが低下するということになります。これらのデータを分析していった結果、アスリートの場合科学的には体脂肪率12%未満が最も体を動かしやすくなる、ということになるわけです。
当たれば飛ぶ。でもなかなか当たらない。では試合で活躍することはできません。例えば当たれば飛んだとしても、打率1割台では意味がないわけです。打率3割以上を打ちながら長打力をアップさせていく必要があります。そのために必要なのは体重を増やすことよりも、バッティングの正確性をアップさせるための技術です。
しかしほとんどのアマチュア指導者がその技術を理論的にわかりやすく教えることができないため、「体重を増やして体格で勝負する」野球をするしかなくなってしまうんです。
飛距離を伸ばすために必要なのはとにかく技術です。体を大きくする前に、まずはその確かな技術をTeamKazオンライン野球塾で身につけてみませんか?