軟式・硬式それぞれの木製バットを使うメリットとは?!

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今回のスラッガー養成コラムでは、木製バットを使うメリットについて解説をしてみたいと思います。

まず、軟式野球の試合で木製バットを使うメリットというのはほとんどないと僕は考えています。その理由は、木製バットはしならせて使うことが最良の使い方となるわけですが、まず軟式球を打ってもバットはほとんどしなりませんし、しなる素材であるアオダモが軟式野球用の木製バットに使われていることもほとんどありません。ですので、軟式野球の試合では木製バットを使うメリットというのはほとんどなく、あるとすれば将来的に硬式野球に進む時のための準備、ということになると思います。

ただ、軟式野球であっても練習であれば木製バットを使うメリットはあります。木製バットは、ラミやバンブーを含めスウィートスポットが非常に狭いので、ミート力を高められるという効果が期待できます。ただ、上述したように軟式野球で木製バットをしならせることはできません。軟式球は軽いですし、M号やJ号に変わったとは言え、打った瞬間はボールがかなり潰れてしまい、ボールが潰れている時間が長い分、バットをしならせることもできなくなります。

軟式球の場合、打った直後に目視でもボールが少し潰れているのが見えると思います。しかし硬式球の場合はボールが潰れている状態を目視することはほとんど不可能です。140km/hのストレートをプロ野球選手がジャストミートした場合、硬式球は約半分まで潰されてしまうのですが、しかし潰れている時間はわずかに1/1000秒未満でしかないため、目視することはほとんど不可能です。それだけ短い時間でしかボールが潰れないため、硬式球であればボールの質量によってバットをしならせられるようになります。

硬式野球で木製バットをしならせて使うことができれば、金属バットよりも飛距離を伸ばせるようになります。しかし軟式野球ではやはり木製バットを試合で使うメリットはあまりありません。木製バットは練習中に利用し、試合では金属バットを利用するのがいいと思います。ちなみに金属バットのスウィートスポットは一般的には2cmほどで、木製バットは5mm未満だと言われています。つまり木製バットでいつでもスウィートスポットで打てるようになれば、金属バットでジャストミートすることが非常に簡単になる、というわけですね。

硬式野球であれば試合でも練習でも木製バットを利用するべきだと思います。ただ、木製バットは折れてしまうこともあるため、試合では木製バット、練習ではラミやバンブー、という風に使い分けをした方がいいと思います。木製バットは下手な選手が使うとすぐに折れてしまいますが、ラミやバンブーであればよほどじゃない限りは簡単に折れることはありません。そしてラミやバンブーはスウィートスポットにしっかり当てていかないと手がすごく痛くなるので、痛くならないところで打ち続けることで、ミート力を飛躍的に向上させていけるようになります。

日本のバットの規定は、アメリカほど厳密ではありません。アメリカでは、金属バットの反発係数は木製バットに合わせる必要があります。ですので「しなり」というものを除外して考えれば、金属バットでも木製バットでも飛距離は理論的にはほとんど変わらない、ということになります。ですが日本の場合はそのような規定がないため、打球が良く飛んでいく金属バットを利用することができます。つまりバッティングのスキルが低かったとしても、ある程度打球を飛ばしていくことができる、というわけです。日本も早い段階でこの規定を見直していかなければ、いつまで経っても打者のレベルを北米・中米選手のレベルに近づけることはできないでしょう。

軟式野球というのは日本特有のスポーツで、海外には日本がサポートをしている途上国くらいにしか存在していません。お隣の中国・韓国であっても硬式野球が主流です。そして野球用品店に行っても硬式用、軟式用には分かれておらず、基本的にはすべて硬式用の道具となります。そしてアジアでもアメリカでも、硬式用のグラブやバットは日本よりもずっと安いです。グラブなど日本の硬式用の半額以下ということが普通です。

時々、硬式用の木製バットで軟式球を打っている選手がいますが、このやり方にはメリットはほとんどなく、デメリットの方が多くなると言えます。その理由は硬式用の木製バットの質量では、軟式球を簡単に潰してしまうためです。ボールは潰れれば潰れるほど飛距離は低下します。スピード×質量=パワー、ということを考えると硬式用のバットで打った方がメリットがあるようにも思えますが、実際に飛ばしていくボールのことを考えると実は逆なんです。軟式球はやはり、軟式用のバットで打つのが一番飛距離がアップします。

最後にもう一度まとめておくと、軟式野球の試合で木製バットを使うメリットはほとんどありません。使うならミート力を高めるための練習中のみにし、試合では軟式用の金属バットを使った方が飛距離はアップします。一方硬式野球ではバットをしならせられれば、飛距離は金属バットよりも伸ばせるようになります。しかししならせられる素材のバットを使っていないと当然バットはしなりませんので、メイプルなどの硬い素材のバットを使っている場合は、しならせるよりも、体幹のスタビリティを高め、ボディスピンを鋭くすることによって飛距離をアップさせていく、という考え方をした方が良いと思います。

木製バットを使うメリットは、スウィートスポットの狭さからとにかくミート力をアップさせられる、という点がメインだと思いますので、ミート力に自信がない方は、軟式でも硬式でも木製バットで練習をしていくと良いと思います。

筆者:カズコーチ(プロフィール)
TeamKazオンライン野球塾 プロ野球選手のパーソナルコーチング、自主トレサポート、動作分析、試合内容分析、小中学生の個人レッスンなどを業務としているプロフェッショナルコーチです。
TeamKazオンライン野球塾主宰
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ビデオの収録内容

講師:カズコーチ
プロ野球選手の個人コーチ・自主トレサポート・動作分析、野球選手を治療するスポーツ外科医や理学療法士へのテクニカルアドバイザー などを務めるプロフェッショナルコーチ。子どもたちの野球肩野球肘を撲滅させるためのレッスンにも尽力。

ビデオの長さ:2時間44分

Chapter1 プロローグ

Chapter2 なぜ野球肘になってしまうのか?
野球肩野球肘になりやすい状況などについて解説

Chapter3 肘を痛めてしまう原因動作

  • 肘の内側を痛めやすい投げ方
  • 野球肘を発症させる内旋型トップポジション
  • トミージョン手術とは?
  • 変化球を投げるとなぜ肘を痛めやすいのか?
  • 内旋型トップポジションで腕をしならせようとすると確実に野球肘になる
  • 上腕三頭筋が原因の野球肘
  • 投球時に肘がロックされやすい変化球
  • 肘がロックされやすいボールの握り方
  • 肘がロックされやすい親指の使い方
  • ネズミ(遊離軟骨)について
  • カタパルト投法で投げると肩も肘も痛める
  • 肘頭を痛めやすい投げ方
  • 肘を痛める間違った肘の先行のさせ方

Chapter4 野球肩になりやすい投げ方

  • 肩を痛めやすいテイクバックの形
  • 肩を痛めやすいコッキングの形
  • ほぼ確実に肩を痛めるパワーポジションからの投球
  • 手投げとは?
  • 左投手特有の肩を痛める投げ方
  • 肩への負荷が大きくなる肘の高さ
  • 肩を痛める間違ったオーバースロー
  • 徐々に肘が下がってしまう理由
  • 野球肩になるボールリリースの形
  • 肩への負荷が高くなる遠心力投法
  • 0ポジションとは?
  • 野球肩になる間違ったスナップスロー
  • 背筋を痛めやすい投球フォーム

Chapter5 野球肩野球肘になりにくい本当に正しい投げ方

  • ワインドアップ・ノーワインドアップ
  • セパレーション
  • テイクバック
  • コッキング
  • トップポジション
  • アクセラレーション
  • ボールリリース
  • フォロースルー
  • エクステンションとは?
  • 一連の動作によるモーション解説
  • 股関節の正しい使い方
  • 股関節を正しい動作で使えていないと、下半身で作ったエネルギーが上半身に伝わらず、結果的に上半身だけに頼った投げ方をするしかなくなる。
  • 股関節を正しい動作で使えるようになると、小柄でも細身でも速いボールを投げられるようになり、さらには怪我なく投げ続けることもできる。
  • 股関節を正しく使った投げ方こそが、肩肘を痛めにくい本当に正しい投げ方
  • 野球肩になりやすく、制球力も低下させてしまう平地での投球練習のやり方
  • お父さんがお子さんとキャッチボールをする際の注意点

Chapter6 肩のコンディショニング

  • 野球肩のセルフチェック法
  • 4種類のインナリング

Chapter7 エピローグ

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