今回のコラムでは、M号・J号を使った感想についてお話をしてみたいと思います。これまで軟式野球は小学生がC号、中学生がB号、高校生以上がA号で、一部特殊な準硬式という球種がありました。準硬式が今後どのような扱いに変わっていくのかはわからないのですが、通常の軟式球に関しては中学生以上はもうすでにM号(メジャー)に変更され、小学生も来年の2月あたりからJ号(ジュニア)に変更されていきます。
M号とJ号を使った感想ですが、これまでの軟式球と比べるとかなり硬いという印象です。恐らくゴム質そのものが硬くなったと思うのですが、M号に関しては打撃コーチングで2ヵ月使っただけでボールがどんどん割れてしまっています。もちろんコーチングの場合はほとんど毎日使っているため、一般的な使用頻度と比べるとかなり頻度は高いわけですが、それでもA号が割れるということは今まではほとんどありませんでした。
現在コーチングで使っているA号は半年〜2年ほど使っているボールなのですが、打撃コーチングで打ち続けても割れることはまずありません。しかしM号は2ヵ月ほどでヒビが入ってしまい、すぐに使えなくなってしまいました。ゴムがそれほど硬化しない夏秋の使用でそのペースでしたので、冬になったらもっと割れやすくなるのかな、という印象です。
打感に関しては、M号J号ともに打った際のつぶれ方は非常に小さいように感じます。そのため硬式野球のように打球に回転をかける打ち方もある程度までは可能でした。しかし大人の力で完全にフルパワーで振っていくと、それでもまだ打球はやや変形してしまうため、完全に硬式球の打ち方で打つことは難しそうです。
個人的にはですが、今回の大きなモデルチェンジには大きな意味はそれほどは感じていません。野球連盟的には軟式野球から硬式野球へのシフトをしやすくするためのモデルチェンジということでしたが、硬式野球の打ち方をしてしまうとあまり良い打球にはならないと、現時点では個人的には感じています。
ただ、少し力を抜いたスウィングであればボールにバックスピンやトップスピンをかけられますので、7〜8割の力で振っていけば、回転をかけた打球でヒットを打てるのではないかと実感しています。ただしビヨンドなどの複合バットではウレタンがつぶれてしまうため、打球に回転はかけられないと思いますので、ビヨンドの場合はまだ面と面で打つ形がいいと思います。回転をかけた打球を打ちたい場合は、金属バットや木製バットを使う必要があります。
M号とJ号を打った感想としては、7〜8割の力でバックスピンをかければ、硬式球よりも軽い分マグナス力を大きく使うことができ、外野手の頭を簡単に越えていけるという実感があります。しかしフルパワーで振ってしまうとやはりまだボールは潰れてしまいますので、大人の選手が回転をかけたい場合は、フルパワーは避けたほうがいいと思います。J号に関しては、小学生の力であればフルパワースウィングでもボールはそんなには潰れないと思います。
あくまでも私個人の数ヵ月使ってみた感想ではありますが、今後M号J号を使う際の参考にしていただければと思います。