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バッティングで継続的に安定した成績を残すためには、インサイドアウトでバットを振っていくことが何よりも重要です。アウトサイドインでフックさせるように打つと、引っ張る方向に長打を打ちやすくなります。しかしバットとボールのコンタクトゾーンが非常に狭くなってしまうため、ミート力は大幅に低下してしまいます。
一方インサイドアウトでバットを振ることができると、アウトサイドインよりも長い時間でバレル(バットの一番太い部分)を投球の延長線上に近いところで動かし続けることができます。そのため多少タイミングを外されたとしても、バレルでボールを捕えられる確率が高まっていきます。
インサイドアウトのバットスウィングを身に付けるために有効な練習方法があります。それは軸脚膝の前にティースタンドを置いて、右打者ならセカンドライナー、左打者ならショートライナーを狙って打つ練習を繰り返します。軸脚膝の前で打つということは、実際の打席ではかなり差し込まれたことになります。ですがティースタンドを使えば差し込まれるということはないため、差し込まれるのではなく、バットでボールを運ぶという感覚を養うことができるのです。
バッターは投球をバットで打ち返すのが仕事であるわけですが、弾き返すというよりは、一瞬でも長くバットとボールを接した状態にして、バットでボールを押し返す、もしくはバットにボールを乗せて運ぶという意識で振っていくと、インサイドアウトで振りやすくなります。
なお、この練習は必ずティースタンドを使って行ってください。ボールを軸脚膝の前に置くため、打ったボールが反対方向に飛びやすくなります。トサーにボールを上げてもらうと、トサーに打球が直撃してしまう危険があるため、繰り返しますが必ずティースタンドを用いてください。
この練習に慣れてきたら、フリーバッティングでも軸脚膝の前で打つチャレンジをしてみてください。かなり振り遅れ気味にスウィングすることになるので、最初はどん詰まりの打球しか飛ばないと思います。しかし諦めずに数週間、数ヵ月単位で続けることができれば、ある日突然バットにボールを乗せて運ぶという感覚が分かるようになります。
プロ野球でこの打ち方をしているのは城島健司捕手、井口資仁選手、浅村栄斗選手などです。ちなみにこの練習は、インサイドアウトでボールを運ぶという感覚を養うための練習ですので、実際の試合であえて振り遅れ気味にスウィングする必要はありません。
ただ、インサイドアウトで振ることができればタイミングを外されて振り遅れても、そこからバットにボールを乗せて運べるようになるため、詰まり気味の打球をヒットにさせやすくなります。インサイドアウトのスウィングを身につけたいという選手は、ぜひこの練習法を取り入れてみてください。
ビデオの収録内容
講師:カズコーチ
プロ野球選手の個人コーチ・自主トレサポート・動作分析、野球選手を治療するスポーツ外科医や理学療法士へのテクニカルアドバイザー
などを務めるプロフェッショナルコーチ。子どもたちの野球肩野球肘を撲滅させるためのレッスンにも尽力。
ビデオの長さ:2時間44分
Chapter1 プロローグ
Chapter2 なぜ野球肘になってしまうのか?
野球肩野球肘になりやすい状況などについて解説
Chapter3 肘を痛めてしまう原因動作
- 肘の内側を痛めやすい投げ方
- 野球肘を発症させる内旋型トップポジション
- トミージョン手術とは?
- 変化球を投げるとなぜ肘を痛めやすいのか?
- 内旋型トップポジションで腕をしならせようとすると確実に野球肘になる
- 上腕三頭筋が原因の野球肘
- 投球時に肘がロックされやすい変化球
- 肘がロックされやすいボールの握り方
- 肘がロックされやすい親指の使い方
- ネズミ(遊離軟骨)について
- カタパルト投法で投げると肩も肘も痛める
- 肘頭を痛めやすい投げ方
- 肘を痛める間違った肘の先行のさせ方
Chapter4 野球肩になりやすい投げ方
- 肩を痛めやすいテイクバックの形
- 肩を痛めやすいコッキングの形
- ほぼ確実に肩を痛めるパワーポジションからの投球
- 手投げとは?
- 左投手特有の肩を痛める投げ方
- 肩への負荷が大きくなる肘の高さ
- 肩を痛める間違ったオーバースロー
- 徐々に肘が下がってしまう理由
- 野球肩になるボールリリースの形
- 肩への負荷が高くなる遠心力投法
- 0ポジションとは?
- 野球肩になる間違ったスナップスロー
- 背筋を痛めやすい投球フォーム
Chapter5 野球肩野球肘になりにくい本当に正しい投げ方
- ワインドアップ・ノーワインドアップ
- セパレーション
- テイクバック
- コッキング
- トップポジション
- アクセラレーション
- ボールリリース
- フォロースルー
- エクステンションとは?
- 一連の動作によるモーション解説
- 股関節の正しい使い方
- 股関節を正しい動作で使えていないと、下半身で作ったエネルギーが上半身に伝わらず、結果的に上半身だけに頼った投げ方をするしかなくなる。
- 股関節を正しい動作で使えるようになると、小柄でも細身でも速いボールを投げられるようになり、さらには怪我なく投げ続けることもできる。
- 股関節を正しく使った投げ方こそが、肩肘を痛めにくい本当に正しい投げ方
- 野球肩になりやすく、制球力も低下させてしまう平地での投球練習のやり方
- お父さんがお子さんとキャッチボールをする際の注意点
Chapter6 肩のコンディショニング
Chapter7 エピローグ