この10年間で、東京の野球塾はずいぶんと増えました。しかし野球塾の経営というのは、需要がまだ開拓されておらず認知度も高くはないことにより、簡単ではないようです。そのためすぐに店じまいをしてしまう野球塾も多く、よほどのストロングポイントがないと、僕の野球塾のように10年も続けることは難しいようです。うちはおかげさまで、2020年1月1日に開講10周年を迎えます!10年間のご愛顧、本当にありがとうございます!
野球塾が日本より発展しているアメリカ
野球発展国の日本としては、やはり野球塾は必要だと思います。日本の学童・学生野球はとにかく長時間練習するのが大好きです。しかし子どもの頃からこれだけたくさん練習をしても、日本のプロ野球は今なおメジャーリーグを打ち負かすことはできません。メジャーのスカウトマンは、日本のプロ野球を3A同等とまでは言わなくても、3.5Aくらいにしか見ていません。
野球発祥国アメリカでは、野球塾は普通に存在しているものなんです。相場はマンツーマンで1時間8000円から15000円程度で、これはコーチの経験値によって大きく変わってきます。スーパーコーチともなると、1時間のレッスンで3万円くらいかかることもあります。野球塾というよりは、パーソナルコーチングと言った方が正確かもしれません。基本的に定期的に通うことは前提とされていません。
意外と論拠のない指導がされている一般的な野球塾
かくいう僕の野球塾も、先日までは通っていただくことを前提にしたコースをメインにしていました。5~6年前からそういうスタイルに変えたのですが、しかし10周年を迎えるにあたり、もう一度原点に戻ろうと思っています。通っていただく前提ではなく、1回のコーチングだけである程度しっかりした効果を出せるメニューにしていきます。90分9000円は日本では一見高額に見えるかもしれませんが、しかしこの90分間にお伝えさせていただく内容は、9000円どころの価値ではないと自負しております。
本格的に野球を科学的に勉強されていないコーチが指導する野球塾の場合、実は町の野球チームのベテランボランティアコーチたちの指導に毛が生えた程度の内容であることが多いんです。僕も仕事柄野球塾でコーチされている知人は多く、けっこう多くの野球塾の指導を見学しに行ったことがあるのですが、科学的エビデンス(論拠)がない指導がなされていることがとても多いと感じました。しかし僕のコーチングはそうではありません。常にエビデンスが存在していることしか選手には伝えません。「自分がこうして来たから、選手にもそう教える」という指導は絶対にしません。
絶対になんとなく指導しちゃいけない野球塾のコーチ
アメリカで活躍している僕のようなパーソナルコーチは、本当によく勉強されています。小学生しか指導しない初級向けパーソナルコーチであっても、僕のようにプロ選手も担当するコーチと互角に科学的に野球技術を語り合うことができます。しかし先日、都内の某野球塾のコーチとお話をさせていただいたのですが、その方には科学的な野球の話がまったく通じませんでした。ちなみに元プロ野球選手です。東京をはじめ日本中に野球塾が増えてくれることは大歓迎です。しかし質の低いコーチに増えてもらっては困ります。
例えば解剖学(筋肉、骨格、神経など)を理解しなければ、肩肘を痛めにく投げ方を知ることはできません。コーチングは「なんとなく」ではダメなんです。「なんとなく」指導していいのはパパママやボランティアコーチだけです。お金をいただいてコーチングをする野球塾のコーチは、絶対に「なんとなく」指導してはダメなんです。でも実際には論拠に乏しい指導をしている野球塾のコーチがたくさんいらっしゃいます。ですので野球塾を選ぶ際は、担当コーチが適切なスポーツ科学に関する知識を持っているのかを確認する必要があります。ちなみに僕の場合は、投手育成コラムをお読みいただければおわかりいただけると思います。野球塾を選ぶ際は、ぜひ担当コーチのコーチングスキルの高さによって選ぶようにしてみてください。