ドカベン完食の強制は野球選手にとってデメリットばかり!!

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日本球界にはプロアマ問わず、未だに「体は大きい方が良い」という迷信が存在しています。この考え方はわたし(チーフコーチ)は完全に間違いだと思っています。体を大きくするだけで球速が速くなったり、飛距離がグングン伸びるようでは野球はもはやスポーツではなくなってしまい、ただの力自慢コーナーになってしまいます。


中高生の野球チームでは、ドカベンを食べ切らないと練習に参加させてもらえないという、あまりにもナンセンスで非科学的なことを行なっているチームが多々あるようです。このようなチームの指導者に、技術指導力があるとは思えませんし、無駄な怪我や熱中症を招くだけです。

もちろん運動量に見合った食事は摂るべきですし、スポーツをしない人に比べれば、野球選手(スポーツ選手)は食べる量は多くなるのは必然です。しかし体や内臓、運動量やタイミングに見合わないドカベンの完食を強制するのは、これがもしアメリカの学生野球であれば虐待と言われかねないでしょう。

まず食べた物というのは胃で消化され、腸で吸収されます。そして消化にしても吸収にしても大量の水分(血液)が必要となります。例えば食べたあとすぐに運動をすると横っ腹が痛くなったりしますよね?これは水分を運動で使ってしまい、胃で必要な水分が足りずに胃が痙攣を起こしている状態です。

ランチにドカベンを完食して、また午後から野球をするということは、胃腸もしくは筋肉のどちらかが必ず水分が足りない状態になってしまいます。胃腸に水分が足りなければ消化速度が遅くなり胃がもたれ、腸に水分が足りないと栄養の吸収がしにくくなりますので、食事からのリカバリーが大きく低下し、疲労回復ができなくなってしまいます。

一方筋肉に水分が足りなくなると筋肉が硬くなってしまいますので手足をつりやすくなったり、筋肉が硬くなり弾力性が低下することによって怪我のリスクを高めてしまうことになります。

ちなみに練習中の間食にコンビニなどで売られている鳥の胸肉を食べるのも効果的ではありません。肉の消化吸収には長時間かかりますので、食事後の練習で鳥の胸肉を食べたメリットは得られません。やはりちゃんと肉を食べるタイミングは練習後の夕食がベストです。夕食で肉を食べれば、寝る前あたりにちょうど胃で消化し終わり、睡眠時に腸でしっかりと栄養を吸収できる状態になります。

野球選手は体が大きい方が良い、というのは完全に迷信です。例えば楽天で活躍する美馬学投手は公称169cmしかありませんが時速150キロ以上のボールを投げますし、体重が70キロ前後だった頃の岸孝之投手も細身から時速150キロを超えるボールを投げることができています。さらに言えばヤクルトの山田哲人選手は体重76キロしかありませんが、38本塁打でキングに輝いています。

やはり野球というのは体格ではなく、技術で行うものなのです。他のスポーツと同様です。しかし日本の場合アマチュアチームにちゃんとした技術指導ができる監督・コーチが少ないために、体格に頼ったプレーを教えることしかできないのが現状であり、だからこそわたしたちのような野球塾の需要が非常に高いのです。

アメリカのアマチュアチームのようにチームに必ず1人、ちゃんと野球技術やコーチング技術を勉強したコーチがいれば、野球塾など必要ないのです。

大事なので繰り返しますが、食事はあくまでも体格・体質・運動量・タイミングに見合った内容であるべきです。練習合間のランチでドカベンを食べても、午後の練習で体が鈍ってしまうだけです。さらに付け加えれば体脂肪率が上がります。体脂肪は筋肉とは違い柔軟性がありませんので、体脂肪率が高いほど体の可動性は低下し、怪我しやすい体になってしまいます。

サッカーや陸上、その他の競技ではアマチュアでもこのような科学的理論が一般的になっているのですが、なぜか野球界に関してのみは未だに非論理的なことばかりやってしまっているようです。

と、このような話をすると落合博満選手の話を思い出される方もいらっしゃるかもしれません。プロ入り直後の落合選手は非常にスマートな選手だったのですが、体脂肪を増やしてあんこ型体型にしたらホームラン数が増えたと話されています。しかしこれは落合選手には誰にも真似できない高い打撃技術があったからです。

その落合選手自身、まだスリムだった1982年に三冠王を獲得されています。あんこ体型になったのは1985年からだったと思いますが、確かにそこからの2年間は連続して50本塁打以上を記録しています。ですがこの年の落合選手は32歳で、打撃技術も最高潮だった年齢です。もしあんこ体型にしていなかったとしても、素晴らしい成績を残せていたはずです。

パワーとは「重量×スピード」です。投げるのも打つのも同様です。いくら体を大きくして体重を増やしたところで、スピードが低下すれば相対的にパワーは低下し、しかも上述した通り怪我のリスクまで高めてしまう結果になるのです。このような悲しい結果に陥らないようにするためにも、当野球塾じゃないところであっても、一度ちゃんとした指導力のあるプロのコーチの指導を仰ぐことをお勧めいたします。

大人数を相手にする野球教室は、楽しむこと以外にはお勧めはできません。コーチングというのは、3人も4人も同時に見ることはできません。コーチ1対選手1、もしくはコーチ1対選手2くらいでなければ、質の高いコーチングというのはできないのです。

ですので野球塾を選ぶ際はマンツーマン、もしくは少人数のグループレッスンを選ぶことがポイントです。ぜひお近くの野球塾でプロフェッショナルなコーチングを体験してみてください!
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筆者:カズコーチ(プロフィール)
TeamKazオンライン野球塾 プロ野球選手のパーソナルコーチング、自主トレサポート、動作分析、試合内容分析、小中学生の個人レッスンなどを業務としているプロフェッショナルコーチです。
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