トレーニングとコンディショニングは同等に考えるべきです。例えば1時間トレーニングを行なった日は1時間コンディショニングをし、4時間トレーニングを行なった日は4時間コンディショニングを行うべきです。もちろんこれは理想であり、プロ選手でなければなかなかここまで時間を使うことはできないでしょう。しかし少なくとも4時間トレーニングを行なったら、最低2時間はコンディショニングに使いたいものです。
ストレッチングなどは、本を読みながらやテレビを見ながら、もしくは宿題をやりながらだって行うことができます。なにもストレッチングのみに集中して行う必要はないのです。
プロ野球でも怪我なく長年一線で活躍している選手は、とにかくトレーニング同様にコンディショニングも大切にしています。メジャーリーグなどで活躍された斎藤隆投手などは、ストレッチングだけで毎日2〜3時間使っていたそうです。だからこそ大きな故障を抱えることなくあの年齢まで一線で活躍し続けることができたんですね。
一方コンディショニングにはあまり注力せず、とにかくトレーニングばかり行なってしまう選手の場合は怪我をしやすくなります。クラブチームや野球部などはこのような状況であることが非常に多いように見受けられます。例えば野球部やクラブチームの練習を観察していると、朝一で集合して日が暮れるまで練習を続けているチームが多いようです。
これだけ長い時間をトレーニングに使ってしまえば当然ですが選手はクタクタになってしまい、練習の後にコンディショニングに取り組む元気など残っているはずもありません。チーム指導者はこのことをしっかりと理解すべきです。コンディショニングに使える時間がなくなり、低いコンディションで練習をしても効率は悪くなりますし、身につくはずの技術も身につかなくなり、さらには当然怪我をするリスクも跳ね上がってしまいます。
スポーツで最も大切なのは怪我をせずにプレーをし続けることです。どんなに上手になれたとしても怪我をしてしまっては意味はありません。しかし一般的なチーム指導者はそんなことなどまったく考えず、目先の勝利しか見ていないケースが大半です。もちろんそうではない指導者もたくさんいらっしゃるわけですが、しかし日本球界の現状ではそれはマイノリティーでしかありません。
本当に大切なのは目先の1勝ではなく、選手の一生です。これを逆に考えてしまう方は、将来のある子どもたちを指導する資格はないと自覚すべきです。そしてもし昨日までそのような考えで指導をしていたのならば、ぜひ今日から考えを新しくしていってください。大切なのは目先の1勝ではなく、選手の一生です。