性的動機は、学説上ではスポーツとは直接的な関係はないと考えられています。ですが一部の研究者は、健全なスポーツ活動によって性欲を発散できると主張しています。とは言え、スポーツが性的動機を低減させるという科学的証拠は今のところありません。
上記のように説明をしてしまうととても難しく感じられるし、何だか性犯罪に関する論調のようにも聞こえてしまいます。ですが僕は違う考え方を持っています。これを性的行動に対する性的動機とするのではなく、性は性でも恋愛に置き換えたらどうでしょうか。これは野球に対するモチベーションを大きく高める要因になりえます。
僕自身、中学生の頃がそうでした。好きな女の子に格好いいところを見せたいという思いで一生懸命練習をしていました。もちろんそれ以上にプロ野球選手になりたいという夢や、甲子園に出場したいという夢があることが前提でしたが、しかし一番身近なモチベーションの1つとして、恋愛という意味での性的動機がありました。
恋愛に対する考え方は、監督やチーム、学校の方針によって様々です。例えば野球チームだけではなく、女子バレーボールチーム、陸上チームなどで恋愛を禁止しているという話を聞いたことがあります。これらは恋愛に対して働く性的動機を、スポーツへのエネルギーに転換させるという考え方です。これも1つの論理としては正しいのだと思います。
しかしそれとは逆に、恋愛に対して生まれたエネルギーで、スポーツに対するモチベーションを高めるという考え方もまた成り立つわけです。例えば埼玉西武ライオンズの中村剛也選手は、夫人の誕生日には毎年ホームランを打っています。これこそは恋愛感情がモチベーションを高めた好例と言えるのではないでしょうか。
さて、話は少しずれますが、NFL(アメフト)のチアリーディングは世界最高峰の華やかさです。僕自身ニューヨーク・ジェッツの大ファンですので、アメフトの試合はよく見ます。チアリーダーたちは、熾烈なオーディションを経て初めて選ばれます。チアリーダーはハーフタイムを盛り上げる存在であるわけですが、実は役割はそれだけではないのです。
アメリカのスポーツ研究者は、美しい女性を見ると男性選手のホルモンが活性化され、ベストパフォーマンスを発揮しやすくなるという科学的根拠を発表しています。逆に女性が格好いい男性を見るとパフォーマンスが上がるという研究結果はまだ明確にはされていませんが、少なくとも男性選手に対しては、美人チアリーダーがパフォーマンスを上げる科学的役割を担っていると言えるわけです。僕はこれも性的動機の1つであると考えています。
相対性理論ではありませんが、賛成意見があれば必ず反対意見が生まれます。ただこの場合、どちらにもメリット・デメリットが存在するため、大切なのは指導者がどのような考え方を持っているかを明確することです。ここを曖昧にしてしまうと、恋愛に対しても性的動機そのものに対してもメリハリのないチームになってしまいます。指導者が女子選手にセクハラをするという事項は、まさにメリハリがない最たる悪例と言うことができますね。「馬鹿とはさみは使いよう」とはよく言いますが、性的動機や恋愛動機も使い方が重要になるのです。