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ミート力を上げるためにバットを短く持つことがあります。確かにバットを短く持つと、バットにボールを当てやすくなります。しかし日常的にバットを短く持って振ることは、当野球塾では推奨していません。今回のコラムではその理由をかんたんにお伝えしてみたいと思います。
まずバットのノブ(グリップエンドの先の丸く膨らんだ部分)に関してですが、これはバットがすっぽ抜けないように付いているすごく便利なものなんです。ノックバットを振ったことがある方ならわかるかもしれませんが、ノブが付いていることによって腕力や握力をほとんど使わずに強い打球を打てるようになるんです。
しかしノブを使わずにバットを短く持ってしまうと、バットがすっぽ抜けないように力強くバットを握る必要が生じてしまいます。人間の体は末端が力んでしまうと、その手前もすべて力むように作られています。つまり手で強く握ってしまうと、腕全体に力みが生じてしまうことになります。
力んだ状態ですと手首や肘がロックされた状態でバットが振られることになります。特に手首は曲がった状態でロックされやすく、その状態でバットを振り続けるとすぐに手首を怪我するようになってしまいます。
ただし、インパクトの瞬間はグリップの中でバットが遊ばないようにギュッと力を入れる必要があります。ですがこれは片手だけです。ステイバックで打っている選手はトップハンド、ウェイトシフトで打っている選手はボトムハンドを強く握り、グリップの中でバットが遊ばないようにします。
また、バットを短く持ってしまうとヘッドが利かないスウィングになってしまうため、打球の勢いが弱くなりやすいんです。怪我を防ぐためにも、パフォーマンスをアップさせるためにも、自分の体型に合った長さと重さのバットを選ぶことが大切なのです。そういう意味でも小中学生は高価なバットではなく、少し安価なバットを体格に合わせて1〜2年に1回持ち替えるのが良いと思います。
でもどうしても体格に合わない長いバットしかない、もしくは常時バットを短く持ちたい場合は、グリップのどこかにテーピングテープでノブを作ってしまうと良いと思います。プロ野球でも埼玉西武ライオンズで活躍した大﨑雄太朗選手が一時、バットのグリップエリアにテープでノブを作っていることがありました。ただこれはあくまでも最終手段の裏技ですので悪しからず。
ビデオの収録内容
講師:カズコーチ
プロ野球選手の個人コーチ・自主トレサポート・動作分析、野球選手を治療するスポーツ外科医や理学療法士へのテクニカルアドバイザー
などを務めるプロフェッショナルコーチ。子どもたちの野球肩野球肘を撲滅させるためのレッスンにも尽力。
ビデオの長さ:2時間44分
Chapter1 プロローグ
Chapter2 なぜ野球肘になってしまうのか?
野球肩野球肘になりやすい状況などについて解説
Chapter3 肘を痛めてしまう原因動作
- 肘の内側を痛めやすい投げ方
- 野球肘を発症させる内旋型トップポジション
- トミージョン手術とは?
- 変化球を投げるとなぜ肘を痛めやすいのか?
- 内旋型トップポジションで腕をしならせようとすると確実に野球肘になる
- 上腕三頭筋が原因の野球肘
- 投球時に肘がロックされやすい変化球
- 肘がロックされやすいボールの握り方
- 肘がロックされやすい親指の使い方
- ネズミ(遊離軟骨)について
- カタパルト投法で投げると肩も肘も痛める
- 肘頭を痛めやすい投げ方
- 肘を痛める間違った肘の先行のさせ方
Chapter4 野球肩になりやすい投げ方
- 肩を痛めやすいテイクバックの形
- 肩を痛めやすいコッキングの形
- ほぼ確実に肩を痛めるパワーポジションからの投球
- 手投げとは?
- 左投手特有の肩を痛める投げ方
- 肩への負荷が大きくなる肘の高さ
- 肩を痛める間違ったオーバースロー
- 徐々に肘が下がってしまう理由
- 野球肩になるボールリリースの形
- 肩への負荷が高くなる遠心力投法
- 0ポジションとは?
- 野球肩になる間違ったスナップスロー
- 背筋を痛めやすい投球フォーム
Chapter5 野球肩野球肘になりにくい本当に正しい投げ方
- ワインドアップ・ノーワインドアップ
- セパレーション
- テイクバック
- コッキング
- トップポジション
- アクセラレーション
- ボールリリース
- フォロースルー
- エクステンションとは?
- 一連の動作によるモーション解説
- 股関節の正しい使い方
- 股関節を正しい動作で使えていないと、下半身で作ったエネルギーが上半身に伝わらず、結果的に上半身だけに頼った投げ方をするしかなくなる。
- 股関節を正しい動作で使えるようになると、小柄でも細身でも速いボールを投げられるようになり、さらには怪我なく投げ続けることもできる。
- 股関節を正しく使った投げ方こそが、肩肘を痛めにくい本当に正しい投げ方
- 野球肩になりやすく、制球力も低下させてしまう平地での投球練習のやり方
- お父さんがお子さんとキャッチボールをする際の注意点
Chapter6 肩のコンディショニング
Chapter7 エピローグ