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普段からマスコットバットなど、通常よりも重いバットで素振りをしたり、ティーバッティングをしている選手は少なくないと思います。しかしこの練習法は怪我を防ぐためにも、やり過ぎは絶対に避けるようにしてください。
打席に入る前に数回マスコットバットを振るくらいならば問題はありません。しかし日常的にマスコットバットを振り続けてしまうと、腰椎の疲労骨折や分離症を引き起こしてしまうリスクが非常に高くなってしまうのです。つまりこれはただの腰痛ではなく、非常に治りにくい大怪我ということです。
ちなみに打席に入る前にマスコットバットを振っても、通常の重さのバットスウィングが速くなることはありません。あくまでも速く振れている感覚になるだけで、データを取っていってもスウィング速度が3km/h以上アップするケースはほとんど見受けられませんでした。また、重いバットを振ったからといって筋肉の活動に大きな変化が生じることもほとんどありません。
硬式用バットの場合、通常の重さでも850〜900g程度の重さがあります。これだけの重さの物を振るだけでも、腰椎には大きな負荷がかかっています。ちなみに右打者の場合、左打者よりも腰痛になる確率は少し高くなります。その理由はバットを振った後、上半身は三塁側に回っていきますが、下半身は一塁方向へ進もうとするため、腰の捻りが左打者よりも大きくなるためです。
さらに付け加えると、ぶら下げたタイヤを打つ練習も故障のリスクを高め、あまり高い練習効果は期待できません。ぶら下げたタイヤを使うのであれば、バットをタイヤに優しく当ててから、そこから下半身を使ってバットに乗せるようなイメージでタイヤを前方に運ぶ練習がオススメです。
疲労骨折は癖になってしまうケースもあります。例え今はまったく腰が痛くなくても、負荷の蓄積が将来腰椎の疲労骨折や分離症を引き起こしてしまうことも多々あります。ですのでマスコットバットはあくまでも打席に入る前に数回振る程度で収めるようにしてください。
ビデオの収録内容
講師:カズコーチ
プロ野球選手の個人コーチ・自主トレサポート・動作分析、野球選手を治療するスポーツ外科医や理学療法士へのテクニカルアドバイザー
などを務めるプロフェッショナルコーチ。子どもたちの野球肩野球肘を撲滅させるためのレッスンにも尽力。
ビデオの長さ:2時間44分
Chapter1 プロローグ
Chapter2 なぜ野球肘になってしまうのか?
野球肩野球肘になりやすい状況などについて解説
Chapter3 肘を痛めてしまう原因動作
- 肘の内側を痛めやすい投げ方
- 野球肘を発症させる内旋型トップポジション
- トミージョン手術とは?
- 変化球を投げるとなぜ肘を痛めやすいのか?
- 内旋型トップポジションで腕をしならせようとすると確実に野球肘になる
- 上腕三頭筋が原因の野球肘
- 投球時に肘がロックされやすい変化球
- 肘がロックされやすいボールの握り方
- 肘がロックされやすい親指の使い方
- ネズミ(遊離軟骨)について
- カタパルト投法で投げると肩も肘も痛める
- 肘頭を痛めやすい投げ方
- 肘を痛める間違った肘の先行のさせ方
Chapter4 野球肩になりやすい投げ方
- 肩を痛めやすいテイクバックの形
- 肩を痛めやすいコッキングの形
- ほぼ確実に肩を痛めるパワーポジションからの投球
- 手投げとは?
- 左投手特有の肩を痛める投げ方
- 肩への負荷が大きくなる肘の高さ
- 肩を痛める間違ったオーバースロー
- 徐々に肘が下がってしまう理由
- 野球肩になるボールリリースの形
- 肩への負荷が高くなる遠心力投法
- 0ポジションとは?
- 野球肩になる間違ったスナップスロー
- 背筋を痛めやすい投球フォーム
Chapter5 野球肩野球肘になりにくい本当に正しい投げ方
- ワインドアップ・ノーワインドアップ
- セパレーション
- テイクバック
- コッキング
- トップポジション
- アクセラレーション
- ボールリリース
- フォロースルー
- エクステンションとは?
- 一連の動作によるモーション解説
- 股関節の正しい使い方
- 股関節を正しい動作で使えていないと、下半身で作ったエネルギーが上半身に伝わらず、結果的に上半身だけに頼った投げ方をするしかなくなる。
- 股関節を正しい動作で使えるようになると、小柄でも細身でも速いボールを投げられるようになり、さらには怪我なく投げ続けることもできる。
- 股関節を正しく使った投げ方こそが、肩肘を痛めにくい本当に正しい投げ方
- 野球肩になりやすく、制球力も低下させてしまう平地での投球練習のやり方
- お父さんがお子さんとキャッチボールをする際の注意点
Chapter6 肩のコンディショニング
Chapter7 エピローグ