足をつる選手が続出している2年振りの夏の地方大会
コロナ禍の真っ只中、今年は2年振りに夏の甲子園予選となる地方大会が開催されています。しかしその試合中、熱中症で足をつってしまう選手が続出しているようです。
一般的に考えるとやはり、緊急事態宣言などにより体外試合を行えなかった調整不足が影響していると考えるべきかもしれません。試合慣れしていない状態で試合に挑んでも、ベストパフォーマンスを発揮することはできませんし、練習では生じない緊張感のせいで疲れも倍増します。
対外試合を行えなかったというのは全国的に共通しているため、一時的な特別ルールも必要かもしれませんね。例えばベンチ入りできる選手を5〜6人増やすということも必要だと思います。今後も調整不足により試合中に体調を崩したり、怪我をしてしまう選手は続いていくでしょう。高野連はそれを見越して一時的な安全策を用意しておくべきだと思います。
紅白戦に緊張感を持たせる工夫
調整法としては、対外試合ができないのであれば紅白戦を増やすなどの対策くらいしかできないかもしれません。しかし紅白戦と対外試合での緊張感はまったく異なるため、指導者がどのようにして緊張感を高めながら紅白戦を行えるかという点は重要になってきます。
例えば40人くらいいる野球部であれば、完全にチームを2分してしまうというやり方もあります。そうすることによってそれぞれのチームにライバル心を持たせられるようになり、紅白戦の緊張感を高めることができます。
ですが中には9人しか部員がいないような野球部だってあります。そういう場合は一時的に同じように人数の少ない他校と合同チームを作るなどの工夫が必要です。高野連もそのような柔軟性を、今は示していくべきでしょう。
何よりも機動性が求められる高野連
今は平時ではありません。コロナ禍という未曾有の事態の真っ只中ですので、過去や未来との公平性を最重視している場合ではないと思います。高野連ももっとスピーディーに臨機応変な対応をしていかなければ、高校野球のコロナ対策は今後も後手後手に回ってしまいます。
スポーツにおいてのコロナ対策は感染を防ぐという意味だけではなく、コロナ禍における調整不足をどのように解消していくかということも含まれます。上述したベンチ入りメンバーの人数もその対策になりうる一つの案です。
「調整不足では無理をさせない」という考え方は無意味です。試合になって無理をせずプレーする選手などいません。グラウンドに立てば全選手が全力でプレーをしに行きます。そんな球児たちに対し「無理せずに」と言っても意味は成しません。
だからこそ大人である高野連側が、先回りした対策を示していく必要があるわけですが、高野連の機動性はほぼないに等しいのが現状です。何か1つルールを変えるためだけに何ヵ月も、何年もかけてしまいます。
平時ならそれでも良いわけですが、しかし今はコロナ禍。球児の体を守るためにも、もっと先回りした具体策をどんどん投入して欲しいところです。今は会議を重ねている場合ではなく、トライ&エラーでどんどん対策を投入し、良ければ続ける、ダメならやめる、ということを繰り返していくべきではないでしょうか。
球児の体を守るために必要な特別ルール
暑さがまだまだまったく本番ではない7月初旬でも、もう熱中症になる選手が続出しているんです。これが1ヵ月後、2ヵ月の最も暑くなる梅雨明け後ではどうなってしまうのでしょう。
高野連は1年後2年後のことを考えることも大切ですが、今はそれ以上に目先の1ヵ月後2ヵ月後に対する具体的な対策も重視すべきです。そう考えるとやはり、コロナ禍に対する特別ルールはもっと目に見えた具体的な形で必要になってくるのではないでしょうか。
例えばベンチ入りできる人数をプロ野球と同等にしたり、部員が余っている学校から選手をレンタルできるような一時的な特別ルールが必要だと思います。そうしなければ調整不足を解消できない現状では、球児たちの体を守ることは難しいのではないでしょうか?