フォークボールにもメリットとデメリットがある
フォークボールを投げられると投球の幅が一気に広がります。しかしスライダーやカーブと比べると、フォークボールの難易度はやや高いんです。その理由はやはり、特殊な握り方にあるのではないでしょうか。
そしてフォークボールはその習熟度が低かったり、多投し過ぎると肘への負荷が大きくなる変化球としての知られています。良い投げ方で多投しなければそう簡単に肘を痛めることはないと思いますが、しかし習熟度が低い投手は要注意です。
野球の教科書:フォークボールの持ち方、必要な握力などを徹底解剖!
フォークボールに握力は必要なのか?!
僕がまだ肩を怪我する前のメインの持ち球はドロップとシュートとフォークボールでした。スライダーやチェンジアップ、シンカーやパームやナックルといった球種は一通り投げられたのですが、比較的自在に操れた球種がこの3つでした。ちなみに僕のスライダーは縦に曲がるヴァーティカルスライダーだったため、フォークボールを投げられればスライダーを投げる必要はほとんどありませんでした。
フォークボールの握り方はシンプルです。人差し指と中指を思いっきり開き、ボールの赤道付近にその2本の指を置いて挟みます。握力が重要、と言われることも多いフォークボールですが、僕の握力は50kg弱と比較的弱かったため、かなりの握力がないと投げられない球種、というわけではないと思います。重要なのはどれだけ回転数を減らせるかということであり、強く握ることではありません。回転数を減らしてストレート同様に投げるからこそ、ストレートが突然落下していくんです。つまりマグナス力を発生させない、ということですね。
手首を立てておかないと抜けやすいフォークボール
ストレートがすごく速いピッチャーの場合はスプリッターも効果的ですが、高校野球以上でストレートが140km未満の場合はスプリッターよりもフォークボールの方が有効です。ストレートが遅いピッチャーがスプリッターを投げても、落ちる幅が打者に見極められやすいためです。ですので130km台以下のピッチャーは、スプリッターよりもフォークボールの習得を目指した方が打者を抑えられるはずです。
フォークボールを投げる注意点としては、やはり手首をしっかり立てておくということです。投球時に手首を前後に曲げてしまうと、フォークボールはすっぽ抜けやすくなり、高めに浮くことも多くなるため、落ち幅があったとしてもバットが届くところに行ってしまいます。ですのでフォークボールを練習する際は、しっかり手首を真っすぐに立てた状態で投げるように注意してください。
下手な投手がフォークを投げると肘を痛める?!
さて、フォークボールを投げるヒントとしてもう1点。親指の位置やボールの握る場所をいろいろと変えてみてください。例えばボールの同じ場所を挟んでいたとしても、親指を置く場所を変えるとスライダーやシュート回転を加えられるようになり、カーブやシンカーのように曲がるフォークボールを投げることもできます。
フォークボールは人差し指と中指に力を入れすぎると連合反応により薬指と小指にも力が入りやすくなります。習熟度が低い投手はこの点をしっかり注意して練習をしてください。小指の筋は肘に繋がっているため、この指が力んでしまうと肘がロックされるようになり、肘を痛めやすくなります。どんなに落差があっても怪我をしては意味がありませんので、肘を痛めないようにこのあたりのポイントにも注意しながら練習をしてみてください。