今回の投手育成コラムでは、投手の爪と手のケアについて少し書いてみたいと思います。硬式野球をされている選手であれば、比較的爪についても考えている選手も多いと思いますが、軟式野球の場合、あまり爪について考えることはないのではないでしょうか。
特に投手は深爪注意!
まず爪は、深爪はしないでください。爪の先に1~1.5mm程度白い部分を残して爪を切ってください。ここで白い部分を残さず深く切ってしまうと、指先にボールがかかりにくくなります。指先にボールがかかりにくくなるということは、それだけボールの回転数も減り、球威の低下にも繋がってしまいます。
そしてベストなのは爪切りではなく、利き手の人差し指と中指だけでも毎日ヤスリで磨いて整えることです。プロ野球のピッチャーではこれを毎日している選手も少なくありません。爪用のヤスリを使って(オススメはガラス製)、この2本の指の爪をきれいに丸く整えるだけでも指先にボールがバランスよくかかり、バックスピンを増やすための要素となっていきます。ちなみにこの部分は硬式も軟式も同様です。
補強にはマニキュアやボンドがオススメ!
軟式野球の場合、それほど爪が割れてしまうことはないと思います。しかし硬式野球の場合、球威が上がれば上がるほど爪が割れやすくなります。ですので割れないようにするケアも必要です。一番シンプルなのは透明マニキュアを塗ることですが、僕の場合マニキュアでなく、タミヤなどのプラモデル用の透明ボンドを塗っていました。もちろんこれも人差し指と中指だけに塗れば十分なのですが、プロ選手の中には10本の指すべてに塗っている選手もいました(笑)
爪は、もちろん伸びているほど割れやすくなります。短ければ割れにくいわけですが、しかし短いと指先にボールがかかりにくくなります。ですので少しだけ伸ばした上でケアをしていく必要があるわけです。ちょっと手間ではありますが、この手間がパフォーマンスをアップさせてくれますので、手間をかける価値は十分にあります。
乾燥した手では良いボールは投げられない!
最後は保湿です。やはり手がカサカサで乾燥していると爪も割れやすくなりますし、ボールも滑りやすくなります。夏場に手が乾燥する選手は少ないと思いますが、秋から春にかけての気温が低い時期に手がしっとりしている選手はいないと思います。さらに手袋を長時間付けていたりすると、手はあっという間に乾燥してしまいます。
爪が割れないようにする、そしてボールが滑らないようにするためにもハンドクリームは必須です。カサカサの手にロジンをつけても大きな効果はありませんので、ロジンの前に、まずは手をしっかり保湿しておくことが重要です。カサカサの手でボールを投げてすっぽ抜けてしまえば、デッドボールを当ててしまう危険性も高まります。そういう意味でもやはりケアは大切だと思います。
ということで、今回は冬場の投手の手のケアについて書いてみました。爪や手のコンディションを整えることで、冬場でも回転数の多い質の良いボールを投げられるようにしましょう!