野球塾は本当に必要なのか?と問われれば、今はまだ必要だと言い切ることができます。その理由はシンプルで、お父さんコーチでは肩肘を痛めない投げ方を指導することができないからです。
お父さんコーチの1000人に1人くらいは、もしかしたら肩肘を痛めない投げ方を指導できる方もいらっしゃるかもしれません。しかしそんなお父さんコーチがいる野球チームを探すことはほとんど不可能です。そして野球動作を理論的に勉強されている指導者がいる野球名門高校に進学しても、もうその頃には肩肘を痛めてしまう投げ方が固着してしまっているケースが多々あります。
野球チームの練習を見ていても、今だに、あえて足は使わずに手だけで投げるキャッチボールをさせている小中学生チームも多数あります。なぜあえて手投げをさせるのでしょうか?そしてそのチームの一人のお母さんに尋ねてみると、そのチームは5〜6年生のピッチャー全員が肩か肘を怪我しているとのことでした。そりゃあそうです、知識のない監督さんが手投げをするように教えてしまっているのですから。
僕の個人レッスンでは、とにかく下半身主導でボールを投げ、肩肘に負担のかからない投げ方を指導していきます。お父さんコーチの多くも下半身主導で投げる重要性は理解されていると思うのですが、でも実際にどう指導すれば、子どもたちが下半身主導で投げられるようになるのか、となるとわからない方がほとんどではないでしょうか。
野球塾ではそのような指導を理論的に、とてもわかりやすく受けることができるんです。ただ、野球塾の中にも指導者があまり勉強していないところも多々あるようなので、選ぶ際は注意が必要かもしれません。「元プロ選手が教える」という謳い文句では野球塾は選ばないでください。元プロ選手だろうと、元プロ選手じゃなかろうと、大事なのは野球動作を理論的に勉強し、さらにそれを選手に伝えるためのコーチングスキルがあるかどうか、という点です。
例えば「手投げ」という言葉ひとつ取っても、理屈が存在します。手投げとはスポーツ医学的には「骨盤回旋不良」というわけですが、つまりは非軸脚側股関節を適切に使えているかどうか、ということになります。有料の野球塾の指導者の中にも、この手投げの理論さえ勉強されていない方がいらっしゃいます。
冒頭で、今の野球界にはまだ野球塾が必要だと言いました。しかし勉強されていない方によって野球塾が乱立させられている、という状況もまた同時に存在しています。実際当野球塾には、他の野球塾でまったく成果が出ずに移籍してきた選手も本当にたくさんいます。しかし移籍してきた塾生の皆さんは、当野球塾で全員、別の野球塾では感じられなかった上達を実感してくれています。
怪我をしない投げ方・打ち方をマスターするためには、今はまだ野球塾に通うことが必要です。特に適切な基礎動作を身につけなければならない小学生は、将来を考えたら早い段階で一度野球塾に通っておくべきだと思います。しかし通う際は、担当コーチに指導能力があるのかどうかを親御さんがしっかりと見極めてあげてください。ちなみに僕のコーチングスキルは、投手育成コラムを読んでいただくだけも十分おわかりいただけると思います。