野球肘になる最たる要因の一つが肘にかかる外反ストレスです。外反ストレスのかかる投げ方をしてしまうと、その投手は将来的に確実に肘痛を起こしてしまうことになります。肘をまっすぐ伸ばした際、肘関節は一方向にしか曲がりませんよね。外反ストレスとは、その真逆の方向に肘が曲がって行こうとする際に発生するストレスなのです。
投手育成コラムではたびたび「良い投げ方」という表現をしていますが、良い投げ方だと言える指針の一つが、外反ストレスの有無にあります。ですのでLittlerockheartのコーチングに於いても、投球動作を改善する際はまず外反ストレスのかからない投げ方を指導しているのです。
外反ストレスのかかる投げ方には百害あって一利もなしです。リリースの瞬間に腕を一直線にしてしまっても、肩関節の回旋方向を間違っても、グラブ側の腕の使い方を間違っても、腹筋・背筋が弱くても外反ストレスはかかってしまいます。外反ストレスのかかる投げ方をしている投手というのは、何が原因で外反ストレスがかかってしまっているのか、それはまさ多種多様なのです。コーチが実際に投げ方を見てみなければ正確なことは何も言えません。
肘に痛みを抱える野球選手は数え切れないほど存在します。中には痛みを堪えながら投げている野球少年や、その痛みにより野球をやめていく野球少年もいます。もしこれが、正しい知識のないコーチの指導が原因だったとしたらどうでしょうか?正しい知識のないコーチが知らず知らずのうちに外反ストレスのかかる投げ方を子どもたちに教えてしまう。するとそれが原因で、その子は将来肘を痛めてしまう。「もし」という言葉は使いましたが、しかしこれは現実に起こっていることなのです。たくさん勉強をされているコーチもいらっしゃる中、間違った知識で間違ったことを子どもたちに教えてしまっている野球指導者も非常に多いのです。
そういう意味では、Littlerockheartのコーチングは選手だけではなく、野球指導者にも受けてもらえたらと考えています。一人の野球指導者が正しい野球知識をマスターすることができれば、今後その指導者が携わる子どもたちが肘痛を起こす可能性は非常に低くなるためです。つまり10人の選手がLittlerockheartのコーチングを受けるより、10人の野球指導者がコーチングを受けた方がはるかに効率が良いというわけなのです。
適切なコーチングを受けることができれば、外反ストレスのかかる投球動作を改善することは可能です。現にこれまでLittlerockheartでは、肘痛を抱える多くの投手たちの動作問題を改善し、投球パフォーマンスを向上させてきました。そして先述した通り、外反ストレスの原因は多種多様です。選手個々その理由が異なるわけですが、一人一人をしっかりとコーチングしていくため、非常に細かい動作問題にも気付くことができるのです。
過去、一度でも肘痛や肘の違和感を感じたことがある投手の投げ方には、外反ストレスがかかっている言ってほとんど間違いはありません。ですので病院に通って痛みが取れたら、その後は投球動作・送球動作を正しい知識のもとで改善していくことが何よりも重要なのです。そうしなければ何度も病院通いを強いられるばかりか、最悪の場合は野球をやめなくてはならない状況にもなってしまいます。コーチとしてはもちろんのこと、親御さんとしてもそれだけは絶対に避けたいところだと思います。
ですのでLittlerockheartでなくても構いません。ご近所にある野球塾でも、野球分野を得意とする理学療法士がいる病院などでも構いません。肘痛を経験したら、正しい知識を持った人のもとで必ず投球動作の改善に取り組むようにしてください。