昨年末から、学校教員の生徒に対する体罰が問題となっています。実はTeamKazにもこれに関するいくつかの問い合わせがありました。「TeamKazのコーチは、学校の体罰問題をどう考えていますか?」、「TeamKazでもできない選手に体罰を与えたりするのですか?」などの問い合わせをいただきました。結論から申し上げますと、TeamKazの投手コーチングでは体罰は一切ありません。なぜなら、体罰を行わなくても選手が伸びていくだけのコーチング能力があるためです。
学校運動部で問題化している体罰は、プレーや練習でミスした選手を殴るということで大きな問題となっています。このような理由で体罰を与えた教員は、指導者(コーチ)としての資質はないと言えます。なぜならスポーツとは、ミスを繰り返し、そのミスを上達によって補い選手たちが成長していくためです。つまり体罰により、選手たちがミスすることを恐れるようになれば、選手の成長はそこで止まってしまうことになるのです。
コーチに求められているのは、選手に常に伸び代を与えられるかどうかです。選手が「自分は頑張ればもっと上手くなれる」ということを実感させてあげるのが、コーチの最大の役目なのです。
例えば練習中、明らかに集中できていない選手がいるとします。そこでコーチが「集中しろ!バカヤロー!」なんて怒鳴ったとしても、選手は萎縮してしまうだけで、本当の意味で集中力を取り戻すことはできません。コーチは、選手が集中力を取り戻せるようなアイディアを常に提供できなければならないのです。選手が集中できていない時に怒鳴ったり殴ったりしかできない指導者は、自ら「私には指導力はありません。だから怒鳴ったり殴ったりするのです」と宣言しているようなものです。
学生スポーツにとって最も大切なのは勝利ではありません。スポーツを通して人間形成を行っていくことです。スポーツを通して努力の仕方や、人との接し方を学ぶことが最も大切であるはずなのです。ですのでもし体罰を行った教員が勝利のために選手に暴力をふるったのならば、その教員は学生スポーツの指導者としては不適格としか言えません。例えその部が何度も全国大会に出場していたとしても、それは教員のエゴでしかありません。選手のことよりも、自らの保身のために、勝つためだけに暴力をふるったとしか言えないわけなのです。
TeamKazのコーチングも、時には非常に厳しくなります。しかしだからと言って選手に暴力をふるったり、選手が傷つくような言葉を発することはありません。TeamKazの厳しさは、あくまでも練習やトレーニングに於ける厳しさです。そしてコーチは、常に全力で選手たちをサポートしています。だからこそTeamKazの投手コーチングは、リピート利用してくれる選手が多いのです。
TeamKazのコーチは、とにかく毎日野球の研究をしています。コーチングの合間を縫い、常に最新の野球科学を勉強しています。そこから得てきた論理的指導法があるからこそ、TeamKazのコーチングを受けていただくと、すぐに結果が出始めるのです。
選手が100人いれば、指導法は100通りあると言っても過言ではありません。選手個々の個性をしっかりと把握し、その上でその選手に対し最も効果的な指導法を選んでいく。そして非常に難しい内容であっても、それを分かりやすく選手に伝えることのできる能力。コーチにはそれらの能力が必要なのです。それらの能力を持っているコーチであれば、怒鳴らなくても体罰を与えなくても、選手の能力を伸ばしていくことができるのです。
スポーツというものは元々、世界中で行われていた戦争を終わらせるために始まったものでした。それまでは戦争の勝ち負けによって国の威信を保つしかなかったのですが、スポーツが誕生してからは、国を代表するアスリートたちが活躍することにより、国の威信を増していけるようになったのです。
国を学校に置き換えてみてください。スポーツの本質を理解しているコーチであれば、暴力など一切使わなくても選手を大きく羽ばたかせ、学校の名誉を高めていくことができるはずです。そして戦争を終わらせるために始められたスポーツに於いて、暴力など決してあってはならないことなのです。学校に限らずスポーツ指導を行っている方々は今、まずはそこから理解を深めていくことが必要なのではないでしょうか。