女子選手の体脂肪率が10%を切るとこんな危険がる!
日々体重、体脂肪率を計測することは、今やアスリートにとっては常識となりつつあります。アスリートとしての健康管理という意味では、体重と体脂肪率は最も目に見えて分かりやすいファクターです。この2つ、体重と体脂肪率ですが、女子選手にとっては体脂肪率の管理はとても重要になってきます。
もし体脂肪率が10%を切ってしまうと、女性の場合月経障害が引き起こされます。これは最悪の場合、将来不妊症になってしまう可能性もありますので、女子選手の体脂肪の落とし過ぎには注意が必要です。
男性指導者ではなかなか難しい女子選手の体調管理
ですがアマ選手の場合、男性指導者が女子選手の体脂肪率を管理することはなかなか難しいのが現状です。ですので女性の保健の先生の手を借りたり、お母さんのケアが大切になってくるわけです。特にお母さんは毎日一緒に過ごす存在であるため、子どもさんの変化を敏感に捉えることができます。
男女それぞれの平均体脂肪率は女性が約23%、男性が約13%です。胸の発育ということも要因しますが、女子と男子とでは平均10%もの体脂肪率の違いがあるわけです。一般的に人間の最低体脂肪率は5%だと言われています。イチロー選手や中田英寿元選手らは、体脂肪率が5%だと言われています。
男子であれば体脂肪率をここまで落としても、風邪をひきやすくなるという程度で、深刻なレベルで健康に害があるということはありません。イチロー選手も中田選手も長年第一線でプレーをし続けていましたので、風邪にさえ気をつければ特に問題はありません。ですが女子選手の場合は話が違うのです。
女子選手が体脂肪率を落としすぎると競技どころではなくなる!
アスリートに限らず、近年はダイエットにより異常なまでに体脂肪率の低い女性が増えています。しかしこれはスポーツをやっているやっていないに限らず、健康的には決して良いことだとは言えません。月経障害を引き起こすばかりではなく、摂食障害を引き起こす可能性も高くなります。現に女子スポーツの世界では、そのような選手が大勢います。
また、女性は男性と比べて血中ヘモグロビン濃度が低い傾向にあり、これは貧血を起こしやすくする要因となります。摂食障害はこの貧血を酷くしてしまう可能性も高く、そうなってしまうと競技どころではなくなってしまいます。
ですので女子選手を抱える指導者、もしくは親御さんは、女子選手のウェイトコントロールには細心の注意を払うようにしてください。摂食障害や月経異常を起こしてしまってからでは遅いのです。
女子選手の体脂肪率に関するまとめ
あるスポーツ名門校の女子運動部(野球部ではありませんでした)の中で、「生理が止まってようやく一人前」という誤った認識が伝統化されているという話を聞きました。これは生理が止まるほど体を追い込み、体脂肪率を下げるということらしいのですが、これは大きな間違いです。このような考え方は指導者が適切な指導をすることにより、今すぐ改めさせるべきです。
しかしこのような考え方が何年も引き継がれてきたということは、指導者もスポーツ指導に関して勉強されていないのでしょう。さすがに指導者が、選手たちがそう考えているということをまったく知らないはずがありません。それでもこのような間違った考え方が引き継がれてきたと言うことは、指導者の勉強不足、指導力不足以外の何物でもありません。
実際に体調を崩してしまってからでは遅いのです。高校時代はそれでももしかしたら平気かもしれません。しかし現役を引退して大学に入ってから体調を崩してしまったらどうでしょうか?もう高校の指導者の責任の範疇ではありませんか?女子選手のこのような現状を見ても、まだまだ無責任な指導者が多いというのが現状だと思います。だからこそ選手自身がしっかりと勉強をして、健康を崩すことのない体づくりを目指す必要があるわけです。