バッティングの効果的な練習方法を聞かれた時、僕がまずお答えするのはティーバッティング(置きティー)です。これが良いフォームを作る作業では最も効果的な練習方法です。時速0キロのボールを力強く打っていくためには、しっかりとした良いフォームで打つ必要があります。しかも1人でもできる練習ですので、何よりもまずは、僕はティーバッティングをオススメしたいのです。
ホームランは腕力ではなく技術で打つ!
ティースタンドをお持ちでない場合は、誰かにティーアップしてもらって打っても良いと思いますが、そうなると2人いないとできなくなってしまいます。ティースタンドは安いものだと2000円くらいで買えますので、1つ持っているととても便利です。ただ、安いものだと打つたびに倒れてしまうため、100円ショップなどで売られているペグで固定すると良いと思います。
ティーバッティングでも、さらに良いのはロングティーです。もちろんロングティーを行える場所がない地域の方が多いとは思いますが、もし場所がある場合はロングティーを頻繁に行うと良いと思います。ロングティーでは、腕力に頼って打つだけでは大した距離を打つことはできません。下半身から上半身にかけて上手にエネルギーを伝えていかなければ、ロングティーでは遠くには飛ばせません。ちなみに埼玉西武ライオンズの中村剛也選手や山川穂高選手などは、ホームプレートからロングティーを打ち、時速0キロのボールをスタンドインさせられる技術を持っています。そうです、彼らは腕力ではなく、技術でホームランを打っているんです!
ちょっと重いけどバックスピンティーもオススメ
硬式野球の場合、バックスピンをかけることによって飛距離を伸ばしていくわけですが、数年前に登場したバックスピンティーというティースタンドも便利です。実は僕も購入したのですが、野球塾のコーチングでは使っていません。というのは、単純に重すぎて持ち運ぶのが難しいためです。ちなみに中村選手や山川選手はバックスピンティーではなく、通常の置きティーを使っています。
バックスピンティーを使うと、確かに簡単にバックスピンをかけて打てるようになります。しかし普通の置きティーでも、良い形で打つことができればちゃんとバックスピンをかけることができます。ですので両方使ってみた者の感想としましては、置きっぱなしにできるのならバックスピンティーを購入してもいいのかなと思いますが、毎回片付けなければならなかったり、持ち運びする場合はバットケースにも入れられる普通の置きティーが良いと思います。
時速0キロのボールを打つティーバッティングがオススメ!
ティーバッティングのポイントは、時速0キロのボールをどこまで加速できるか、というところにあります。ですのでスピードガンとセットで行うと、より効果的です。スピードガンはどこかに固定して、トリガーをテープなどで押しっぱなしにしておけば、1人でもこの練習を行うことができます。ただ、スピードガンは安くても3万円前後しますので、必ずしも持っている必要はありません。ただ、高価な複合バットを購入するよりは良い投資になるとは思います。
ティーアップされたボールや、バッティングセンターのボールにはそれなりのエネルギーが加えられていますので、当てられれば良くないフォームでも簡単に強い打球を打つことができます。しかし置きティーの場合はそうはいきません。良いフォームで、ボールの良いポイントを打っていかなければ、打球を上げることも加速させることもできません。また、腕力に頼って打つとバットスウィングの波動に乱れが生じ、その波動がボールに伝わることによってボールの飛距離が低下します。
素振りもフォームを作るという意味で非常に大切な練習ではありますが、それ以上に効果的なのはやはりティーバッティングです。少しでも多く加速させ、少しでも遠くへ飛ばせるように、まずは良いフォームを理論的に頭で学び、そのフォームを体現できるように練習を繰り返していくようにすると、上達への近道へと繋がっていくはずです。