ミスを道具のせいにする格好悪い選手にならないためには?!

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スポーツ選手は道具に過度に頼ってはいけないと僕は考えています。特に「上達したい」という気持ちが強い場合は。ですがそれほど上達を求めていない、レベルが高くないリーグでプレーしている選手は道具に頼ってしまうのもなしではないと思います。例えばビヨンドなどの複合バットの存在ですね。


道具というのは技術に合わせられるものではありません。技術を道具に合わせるんです。プレー中に失敗をすると、よく道具やサーフェス(地面などのプレー環境)のせいにしている選手を見かけますが、これは素人が取るべき行動です。年代やレベルを問わず上達を目指している選手は、ミスを道具やサーフェスのせいにすることは絶対に避けるべきです。責めるべきは対応し切れなかった自らの技術です。

例えばイチロー選手は毎年、何十本もの同じバットの中から、数本だけ実際に試合で使うバットを選んでいました。しかしこの選択は、アマチュア選手が金属バットとビヨンドのどっちを選ぶか、という問題とはまったく異なる選択となります。イチロー選手は自らの技術をアジャストできるバットを選んでいたのに対し、後者は自らの技術不足を道具で補うための選択となります。

日本は道具天国です。ビヨンドだけに限らず、硬式用の金属バットでも反発係数は木製バット以上で、よく飛ぶバットを使うことができます。一方アメリカでは、金属バットの反発係数は木製バットと揃える必要があるため、あくまでも数値的には金属バットの恩恵を受けることはありません。ただそれでも、金属バットの方が木製バットよりも数mm〜1cm程度スウィートスポットが広いので、その点では金属バットの方がまだ優位性は高いと言えます。

正直なところ、僕はコーチとしてはビヨンドの利用に対しては否定的です。ビヨンドはどこに当たっても打球が飛んでいくため、コンタクトスキルが向上することはありません。ですので少しでも今より上達したいと考えている選手は、ビヨンドは使うべきではありません。

ちなみに僕が小学生の頃は当然ビヨンドなんてバットは存在しておらず、金属バットもボールも今ほど飛ぶものではありませんでした。でも僕は頻繁に外野手の頭を超える打球を打っていました。小柄で細かったにも関わらず。中学1年生になった頃、僕の身長はまだ150cmにも届いていませんでした。150cmを超えたのは確か、中学1年生の夏です。こんなに細くてチビだった僕でも、外野まで打球を飛ばすことができていたのです。飛ぶバットなんて使わなくても。

いえ、飛ぶバットどころか、練習ではディスカウントショップで売られていた無名の怪しげな木製バットを使っていました。そのバットのことは今でもよく覚えています。お小遣いを貯めて1980円で買ったのですが、保険に関するシールさえ貼られていませんでした。その代わりに金色の「高級バット」という、何の説得力もないシールが貼られていました(笑)。普通のメーカーの普通のバットと比べると、まるでガラクタのようなこのバットですが、それでも僕は小学生から中学生にかけて、紅白戦では上級生たちからこのバットでたくさんのヒットを打ちました。

僕は高校入学の直前に肩を痛めてボールを投げられなくなってしまったのですが、中学最後の1年間の僕の出塁率は9割以上で、打率も8割くらいでした。

ちょっと自慢しちゃいましたが、伝えたいことは自慢話ではないんです。僕は普段は1980円の高級バットで練習をし、公式戦になると学校や友達の金属バットを借りて打席に立っていました。スウィートスポットがあるのかないのかもわからない高級バットで練習をした後だと、普通のバットでジャストミートさせることがすごく簡単なんです。金属バットは広いものだとスウィートスポットが1.5〜2cm程度あるのですが、高級バットで練習をしたあとだとこの1.5cmがものすごく広く感じ、「どこに当たってもヒットになる!」という風に感じていました。

もはやビヨンドは軟式野球のスタンダードとも言えるようになりました。バットに3〜4万円も出すなんて僕には考えられませんが、現代では普通のことのようです。ですので試合でビヨンドを使うのは、もはや止めることはできません。それならばせめて、練習だけは安物のバットを使うべきだと思います。僕が使っていた高級木製バットのような、スウィートスポットがあるのかないのかわからないようなバット、、、、なんてものはもう売っていないと思いますが、普通のメーカーの普通の安いバットで練習すべきだと思います。

上達を目指しておらず、ただ野球を趣味で楽しみたいという選手はいつもビヨンドでも構いません。しかし上達したい選手にとってビヨンドは致命傷になります。野球のレベルが上がれば上がるほど、ビヨンドを使えないリーグに入った際、ビヨンドの後遺症に苦しむことになります。

ですのでビヨンドはあくまでも野球が趣味の場合にのみ利用し、少しでも上手くなりたいという選手はビヨンドの利用は避けてください。どんなに安物のバットであっても、そのバットの性格をしっかりと理解することができれば、外野手の頭を越していく打球を打つことはそれほど難しくはありません。

ですがバットの性格を知ったとしても、その性格に技術を合わせることができなければ意味がありません。ビヨンドでその技術を磨くことは不可能ですので、単純に練習は木製・竹・ラミなどを利用し、試合では金属バットを使う、という使い分けをされるのがベストだと思います。そうすれば高いコンタクトスキルを身につけることができ、どんなバットにも技術をアジャストしていけるようになりますので、ミスを道具のせいにしてしまう格好悪い選手になってしまうこともなくなると思います。
筆者:カズコーチ(プロフィール)
TeamKazオンライン野球塾 プロ野球選手のパーソナルコーチング、自主トレサポート、動作分析、試合内容分析、小中学生の個人レッスンなどを業務としているプロフェッショナルコーチです。
TeamKazオンライン野球塾主宰
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野球肩野球肘を改善できるだけではなく、肩肘を痛める前に肩肘を痛めない本当に正しい投げ方をマスターできる!

ビデオの収録内容

講師:カズコーチ
プロ野球選手の個人コーチ・自主トレサポート・動作分析、野球選手を治療するスポーツ外科医や理学療法士へのテクニカルアドバイザー などを務めるプロフェッショナルコーチ。子どもたちの野球肩野球肘を撲滅させるためのレッスンにも尽力。

ビデオの長さ:2時間44分

Chapter1 プロローグ

Chapter2 なぜ野球肘になってしまうのか?
野球肩野球肘になりやすい状況などについて解説

Chapter3 肘を痛めてしまう原因動作

  • 肘の内側を痛めやすい投げ方
  • 野球肘を発症させる内旋型トップポジション
  • トミージョン手術とは?
  • 変化球を投げるとなぜ肘を痛めやすいのか?
  • 内旋型トップポジションで腕をしならせようとすると確実に野球肘になる
  • 上腕三頭筋が原因の野球肘
  • 投球時に肘がロックされやすい変化球
  • 肘がロックされやすいボールの握り方
  • 肘がロックされやすい親指の使い方
  • ネズミ(遊離軟骨)について
  • カタパルト投法で投げると肩も肘も痛める
  • 肘頭を痛めやすい投げ方
  • 肘を痛める間違った肘の先行のさせ方

Chapter4 野球肩になりやすい投げ方

  • 肩を痛めやすいテイクバックの形
  • 肩を痛めやすいコッキングの形
  • ほぼ確実に肩を痛めるパワーポジションからの投球
  • 手投げとは?
  • 左投手特有の肩を痛める投げ方
  • 肩への負荷が大きくなる肘の高さ
  • 肩を痛める間違ったオーバースロー
  • 徐々に肘が下がってしまう理由
  • 野球肩になるボールリリースの形
  • 肩への負荷が高くなる遠心力投法
  • 0ポジションとは?
  • 野球肩になる間違ったスナップスロー
  • 背筋を痛めやすい投球フォーム

Chapter5 野球肩野球肘になりにくい本当に正しい投げ方

  • ワインドアップ・ノーワインドアップ
  • セパレーション
  • テイクバック
  • コッキング
  • トップポジション
  • アクセラレーション
  • ボールリリース
  • フォロースルー
  • エクステンションとは?
  • 一連の動作によるモーション解説
  • 股関節の正しい使い方
  • 股関節を正しい動作で使えていないと、下半身で作ったエネルギーが上半身に伝わらず、結果的に上半身だけに頼った投げ方をするしかなくなる。
  • 股関節を正しい動作で使えるようになると、小柄でも細身でも速いボールを投げられるようになり、さらには怪我なく投げ続けることもできる。
  • 股関節を正しく使った投げ方こそが、肩肘を痛めにくい本当に正しい投げ方
  • 野球肩になりやすく、制球力も低下させてしまう平地での投球練習のやり方
  • お父さんがお子さんとキャッチボールをする際の注意点

Chapter6 肩のコンディショニング

  • 野球肩のセルフチェック法
  • 4種類のインナリング

Chapter7 エピローグ

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