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バットを最短距離で振る!とは日本の指導現場ではよく使われる言葉のようですが、これが正しいのかどうか、なかなか判断しづらいところです。と言うのは、この指導をされている方数人に話を聞いてみたのですが、それぞれ違う動作として指導されているようでした。ちなみに当野球塾ではバットを最短距離で振るようにという指導は一切行っておりません。
バットを最短距離で振るという指導のニュアンスとしては、おそらくインサイドアウトでインパクトを迎えるように、ということなのだと思います。しかし「バットを最短距離で振る」という言い方をしてしまうと、テイクバックを小さくして短いステイバックで打つ、という風に受け取るのが自然です。ですがそうしてしまうと当然ですがバットスウィングの速度は低下し、強い打球を打つことができなくなります。
では
当野球塾ではどのような指導をしているのか?「ノブを体の近くで動かす」という風にコーチングをしています。ノブとはグリップエンドの膨らんだ部分のことなのですが、ここが常に体の近くで動いていけば、テイクバックを小さくすることなくインサイドアウトで打ちやすくなります。
ノブを体の近くで動かすトレーニングとして、ノブヒッティングというメニューがあります。当野球塾で打撃コーチングを受けている選手の多くが体験していると思いますが、これはバットを撞木(しゅもく:鐘を突く棒)のように使い、ティーアップしてもらったボールを強打するというメニューです。
このトレーニングを繰り返していくと、ノブが自然と体の近くで動くようになり、バットが遠回りせずにインサイドアウトでインパクトを迎えられるようになります。その結果空振りが減り、ミート力が向上し、反対方向への強い打球が増え、打率が上がっていきます。
「バットを最短距離で振る」と考えてしまうと、どうしてもスウィングが小さくなってバットを振り抜けなくなります。バットを振り抜けられなけば投球に対して力負けしやすくなりますので、打撃成績は低下する一方です。そうならないためにもバットを最短距離で振るという意識ではなく、ノブを体の近くで動かすという意識を持ってバットを振ってみてください。そうすればスウィングできる距離を短くすることなく、インサイドアウトで打てるようになるはずです。
ビデオの収録内容
講師:カズコーチ
プロ野球選手の個人コーチ・自主トレサポート・動作分析、野球選手を治療するスポーツ外科医や理学療法士へのテクニカルアドバイザー
などを務めるプロフェッショナルコーチ。子どもたちの野球肩野球肘を撲滅させるためのレッスンにも尽力。
ビデオの長さ:2時間44分
Chapter1 プロローグ
Chapter2 なぜ野球肘になってしまうのか?
野球肩野球肘になりやすい状況などについて解説
Chapter3 肘を痛めてしまう原因動作
- 肘の内側を痛めやすい投げ方
- 野球肘を発症させる内旋型トップポジション
- トミージョン手術とは?
- 変化球を投げるとなぜ肘を痛めやすいのか?
- 内旋型トップポジションで腕をしならせようとすると確実に野球肘になる
- 上腕三頭筋が原因の野球肘
- 投球時に肘がロックされやすい変化球
- 肘がロックされやすいボールの握り方
- 肘がロックされやすい親指の使い方
- ネズミ(遊離軟骨)について
- カタパルト投法で投げると肩も肘も痛める
- 肘頭を痛めやすい投げ方
- 肘を痛める間違った肘の先行のさせ方
Chapter4 野球肩になりやすい投げ方
- 肩を痛めやすいテイクバックの形
- 肩を痛めやすいコッキングの形
- ほぼ確実に肩を痛めるパワーポジションからの投球
- 手投げとは?
- 左投手特有の肩を痛める投げ方
- 肩への負荷が大きくなる肘の高さ
- 肩を痛める間違ったオーバースロー
- 徐々に肘が下がってしまう理由
- 野球肩になるボールリリースの形
- 肩への負荷が高くなる遠心力投法
- 0ポジションとは?
- 野球肩になる間違ったスナップスロー
- 背筋を痛めやすい投球フォーム
Chapter5 野球肩野球肘になりにくい本当に正しい投げ方
- ワインドアップ・ノーワインドアップ
- セパレーション
- テイクバック
- コッキング
- トップポジション
- アクセラレーション
- ボールリリース
- フォロースルー
- エクステンションとは?
- 一連の動作によるモーション解説
- 股関節の正しい使い方
- 股関節を正しい動作で使えていないと、下半身で作ったエネルギーが上半身に伝わらず、結果的に上半身だけに頼った投げ方をするしかなくなる。
- 股関節を正しい動作で使えるようになると、小柄でも細身でも速いボールを投げられるようになり、さらには怪我なく投げ続けることもできる。
- 股関節を正しく使った投げ方こそが、肩肘を痛めにくい本当に正しい投げ方
- 野球肩になりやすく、制球力も低下させてしまう平地での投球練習のやり方
- お父さんがお子さんとキャッチボールをする際の注意点
Chapter6 肩のコンディショニング
Chapter7 エピローグ