Q. 少年野球で頑張っているお子さんに、毎週ヒットを打たせてあげたいと思いませんか?
YESなら
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今回のスラッガー養成コラムでは、ビヨンドについて書いてみたいと思います。ビヨンドというよりは、複合素材バットと捉えていただいた方が良いと思います。ビヨンドというのはご存知の通り軟式野球用バットで、打面が柔らかくなっている複合素材バットのことです。ビヨンドをご存知ないという方は、野球経験者ではもうほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。それくらい普及しているビヨンドであるわけですが、上のレベルの野球を目指している選手に限っていけば、使うべきではありません。
ビヨンドの特徴は、ミスショットをしたとしても遠くまで打球を飛ばせるという点です。つまり下手なバッティングをしても、良い打球を飛ばせることがあるということです。目先の活躍を考えれば、確かにビヨンドを使った方がたくさんヒットを打てて楽しいかもしれません。しかし小中学生の頃にビヨンドを使い続け、ビヨンドを使うことに慣れてしまうと、硬式野球ではまったく通用しないバッターになってしまいます。
長打を打つ方法というのは、軟式野球と硬式野球とでは異なります。ビヨンドでは外野手の頭を超えていたとしても、硬式野球ではしっかりとした打撃技術がなければ長打を打つことはできません。近年は道具に頼って野球をしてしまう選手が増えているようですが、道具の力に頼ってはいけません。それはどんな種類のバットを使っていても同様です。
イチロー選手はバットなどの道具をとても大切にする選手ですが、バットは自分のこだわった形の範囲内であれば、それ以上にこだわることはないそうです。つまり言い換えれば、アウトになったことを決してバットのせいにはしないということです。そこに甘えることが決してないからこそ、あれだけ偉大な選手になれたというわけですね。
もしこのコラムをお読みの方で甲子園、神宮、プロ野球、メジャーリーグを目指している選手がいらっしゃれば、ぜひ道具に頼らずにプレーをしてください。軟式野球であっても、基本に忠実な適切なバットスウィングができていれば、ビヨンドを使わなくても外野手の頭を越していくことはできます。目先の活躍、目先の勝利ばかりを見るのではなく、あくまでもアスリートとして、より高いレベルの技術を身につけることを最優先に考えていってください。
去年の夏、テレビで小学生の国際大会を観戦していたら、日本チームにはビヨンドが支給されていました。ですが対戦相手は普通のバットのみです。点差はまるでアメフトの試合を見ているような大差で、とても野球の試合とは思えない点差になっていました。それでも決して諦めることをしない対戦相手の子どもたちを見ていて、わたしは感動してしまいました。
子供の頃からビヨンドなどの高価な道具を使うことで、果たして日本人アスリートのハングリー精神を培うことはできるのでしょうか。アスリートが活躍するのに最も大切な要素の一つはハングリー精神です。日本の野球界は特に近年、ハングリー精神を持つ選手が減ってきたなと実感しているのは、きっとわたしだけではないと思います。
ビデオの収録内容
講師:カズコーチ
プロ野球選手の個人コーチ・自主トレサポート・動作分析、野球選手を治療するスポーツ外科医や理学療法士へのテクニカルアドバイザー
などを務めるプロフェッショナルコーチ。子どもたちの野球肩野球肘を撲滅させるためのレッスンにも尽力。
ビデオの長さ:2時間44分
Chapter1 プロローグ
Chapter2 なぜ野球肘になってしまうのか?
野球肩野球肘になりやすい状況などについて解説
Chapter3 肘を痛めてしまう原因動作
- 肘の内側を痛めやすい投げ方
- 野球肘を発症させる内旋型トップポジション
- トミージョン手術とは?
- 変化球を投げるとなぜ肘を痛めやすいのか?
- 内旋型トップポジションで腕をしならせようとすると確実に野球肘になる
- 上腕三頭筋が原因の野球肘
- 投球時に肘がロックされやすい変化球
- 肘がロックされやすいボールの握り方
- 肘がロックされやすい親指の使い方
- ネズミ(遊離軟骨)について
- カタパルト投法で投げると肩も肘も痛める
- 肘頭を痛めやすい投げ方
- 肘を痛める間違った肘の先行のさせ方
Chapter4 野球肩になりやすい投げ方
- 肩を痛めやすいテイクバックの形
- 肩を痛めやすいコッキングの形
- ほぼ確実に肩を痛めるパワーポジションからの投球
- 手投げとは?
- 左投手特有の肩を痛める投げ方
- 肩への負荷が大きくなる肘の高さ
- 肩を痛める間違ったオーバースロー
- 徐々に肘が下がってしまう理由
- 野球肩になるボールリリースの形
- 肩への負荷が高くなる遠心力投法
- 0ポジションとは?
- 野球肩になる間違ったスナップスロー
- 背筋を痛めやすい投球フォーム
Chapter5 野球肩野球肘になりにくい本当に正しい投げ方
- ワインドアップ・ノーワインドアップ
- セパレーション
- テイクバック
- コッキング
- トップポジション
- アクセラレーション
- ボールリリース
- フォロースルー
- エクステンションとは?
- 一連の動作によるモーション解説
- 股関節の正しい使い方
- 股関節を正しい動作で使えていないと、下半身で作ったエネルギーが上半身に伝わらず、結果的に上半身だけに頼った投げ方をするしかなくなる。
- 股関節を正しい動作で使えるようになると、小柄でも細身でも速いボールを投げられるようになり、さらには怪我なく投げ続けることもできる。
- 股関節を正しく使った投げ方こそが、肩肘を痛めにくい本当に正しい投げ方
- 野球肩になりやすく、制球力も低下させてしまう平地での投球練習のやり方
- お父さんがお子さんとキャッチボールをする際の注意点
Chapter6 肩のコンディショニング
Chapter7 エピローグ