近年、野球塾・野球教室・野球アカデミーが日本国内にもかなり増えてきました。当野球塾は2010年1月に開講したのですが、野球指導の専門家が増えている近年の状況は、野球少年・野球少女の怪我を防ぐためにも喜ばしいことだと思います。では野球塾と野球教室と野球アカデミーの違いとは一体なんなのでしょうか?
まず野球教室というのは、野球の楽しさを知ってもらうというニュアンスが強いものです。例えばオフの期間にプロ野球選手がやってきて、数十名の子どもたちを軽く指導しながら触れ合う、というものですね。子どもたちはプロ野球選手や、元プロ野球選手と触れ合えるだけでもテンションが上がります。実際に具体的な個別指導がなかったとしても、その上がったテンションで野球をもっと好きになってもらう、野球に対するモチベーションを上げてもらう、というニュアンスなのが野球教室です。基礎の基礎、野球動作の触りの部分を運が良ければ個人指導してもらえますが、コーチ1人に対し選手が数十名いるケースがほとんどですので、実際のところ、単発の野球教室に行ってレベルアップする、というケースは稀だと言えます。
では野球アカデミーとは?これはプロ野球チームが開催している野球塾です。野球教室のように単発ではなく、定期的に通うことができ、引退直後の選手がプロチームのコーチに就任できるまでの間、コーチの役職についているケースがほとんどです。野球アカデミーには実はカリキュラムがあります。指導しなくてはならない内容と、勝手に指導してはならない内容がマニュアル化されていて、コーチはその枠内でしか子どもたちを指導することはできません。しかしそのマニュアルというのは専門的に作られていないケースも多く、最新の野球技術を子どもたちに伝えることができないという理由から、しっかりと勉強をされている元プロ野球選手のコーチの一部は、野球アカデミーの役職を辞退するケースが少なくありません。
最後に野球塾というのは、これは学習塾とまったく同じです。学習塾では講師、野球塾ではコーチとなるわけですが、講師もコーチも、指導すべき内容、最新の野球技術などを日々勉強しています。与えられたマニュアルの中でだけ指導するのではなく、コーチングスキル、野球技術を常にアップデートしているため、大げさに言えば時代遅れの技術を選手に伝える、ということが一切ありません。
ちなみに野球塾の中にもいくつか種類があって、屋内練習場が完備されている野球塾、グループレッスンタイプ、個人指導タイプなどがあり、屋内練習場が完備されている個人レッスン野球塾は、とにかく値段が高いです。そして屋内練習場を持っている場合は、いわゆる箱代(家賃)がかかりますので、それをまかなうためにグループレッスンの人数も5人以上と多くなりがちです。
当野球塾は屋内練習場を持たないタイプですので、コーチング料金は他の野球塾よりも低価格設定となっています。屋内練習場を持たない野球塾は、他の野球塾であってもコーチング料金は高くはないはずです。
屋外コーチングの場合は確かに冬は寒く、夏は暑いわけですが、野球は根本的に外で行うスポーツですので、屋内練習場がないデメリットというのは台風などの荒天時くらいだと思います(通常の雨天なら陸橋下の広場などでできるケースも多いです)。ちなみに屋内練習場の場合、スパイクを履かないコーチングになるケースが多いと思います。バッティングだけの場合は大きな影響はないと思いますが、ピッチングの場合は絶対的にスパイクを履いたコーチングを選んだ方が試合との誤差がなくなるためオススメです。屋内練習場でも土のマウンドが作られている野球塾がありますので、そのような野球塾を探してみるのもいいと思います。
これらが野球塾、野球教室、野球アカデミーの違いとなります。もう一度かんたんにまとめておくと、野球をもっと好きになってもらいたい場合はプロ野球選手や元プロ野球選手が来てくれる野球教室(無料の場合も多い)がオススメです。基本動作を元プロ野球選手と一緒に練習したい場合はプロ球団の野球アカデミーがオススメです。そして基本から応用まで、何を質問しても答えてくれるプロコーチの指導のもと、ガッツリ上達したいのならば個人レッスンタイプの野球塾がオススメです。
目的によって選び方が変わってきますので、親御さんは、お子さんの現時点での野球に対する姿勢を踏まえながら野球塾、野球教室、野球アカデミーを選んであげるといいと思います。ぜひ、参考にされてみてください。