ピッチャーの練習法は数え切れないほど存在しますが、その中でも当野球塾がオススメしたいのは投球後の3秒立ちです。やり方はとてもかんたんです。投げ終わったら非軸足だけで3秒間安定して立てるようにするだけです。なおその時のポーズは上半身は水平近くまで前傾させ、軸足はベルト以上の高さまで振り上げます。そして非軸脚も膝を曲げて低い重心を維持し続けます。
この練習法でどのようなことが身につくかというと、
- 体重移動を最後まで終わらせられる姿勢を作れる
- 重心を低い位置に持っていく癖をつけられる
- 踏ん張る力が強くなっていく
- 体幹のスタビリティ(安定感)が高まる
- 非軸脚の膝が割れないためボールがシュート回転しにくくなる
- 腕や脚を遠回りさせず、コンパクトに動かせるようになる
- インステップやクロスステップが直り、ストレートステップになりやすい
- リーディングアームを上手に使えるようになりやすい
- 全力投球ができなくなる
などの点が挙げられます。「全力投球ができなくなる」と聞いて「え?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、全力投球は基本的には厳禁です。全力投球を繰り返してしまうと、どんなに良いフォームで投げていたとしても必ず肩肘を壊すようになります。
当野球塾でも球速アップに関するコーチングを行なっていますが、これはあくまでも8割で投げた際の球速をアップさせるという作業です。言い換えれば、今は全力で投げなければ出せない球速を、8割の力でも出せるようにするという作業です。当野球塾では一貫して全力投球はすべきではないと選手に指導し続けています。
投げ終わった後に3秒間安定して立つ動作って、言うほどかんたんなことではないんです。やっていただければわかると思いますが、最初はけっこう難しいと思います。ポイントはキャッチャーミットを見続けるということと、非軸脚そのものではなく、非軸脚側の股関節で立つ意識を持つことです。そして重心は極力低い位置を維持しないと、重心が高くなればなるほど立っていられなくなります。
ちなみに傾きながらの3秒はダメですよ。3秒経ってから傾いてください。それどころか、5秒でも10秒でも立っていられるようになってください。この練習法は全世代に有効ですので、ぜひ今日からチャレンジしてみてください。