足腰を使わないスポーツはほとんどないに等しいと言えます。ということは運動は、足腰が大きなウェイトを占めているということになります。それをさらに具体的に言うと、腸腰筋と大腿二頭筋(ハムストリングス)のコンビネーションが、運動能力の良し悪しを大きく左右しているのです。
大腿二頭筋はハムストリングスと呼ばれることも多い、太ももの後ろ側の大きな筋肉です。そして腸腰筋というのは、この名前の筋肉があるわけではなく、大腰筋・小腰筋・腸骨筋をひっくるめて腸腰筋ということになります。アフリカ系のスプリンターは、オリンピックでも本当に強いですよね。例えばウサイン・ボルト選手など。アフリカ系の人の腸腰筋は、日本人の2〜3倍あると言われており、この差がスプリント力の差になっているのです。
走る動作はすべての運動の基本動作となります。つまり走りが良い選手は、どのようなスポーツも上手になれる下地があるということになります。そしてこの走るという運動能力を向上させられるのが、腸腰筋と大腿二頭筋のコンビネーションなのです。
まず腸腰筋は、脚を上げるという動作を司っています。歩いたり走ったり、投げたり蹴ったりする際には必ず脚を上げますよね。一方腸腰筋は骨盤と膝を安定させる役割を担っています。股関節を含めた骨盤と膝が安定しなければ、踏ん張ることができなくなります。つまり投げても打っても、動作が不安定になってしまうのです。
もし運動能力がまだ高く選手がチームにいるようでしたら、ぜひ腸腰筋と大腿二頭筋のコンディショニングを8週間程度のスパンで改善していってください。そうすれば運動能力はみるみる向上していくはずです。もちろん子どもだけではなく、筋肉が衰えてきた大人が再調整することでも良い効果を得ることができます。今より一段階も二段階も運動能力を向上させたい時には、ぜひ挑戦してみてください。