関節がポキポキ鳴るのをクラッキングと呼びますが、これは元を辿るとキャビテーション破壊というものなのです。キャビテーション破壊とは、関節のクッション材として存在している水泡が壊れている音なのです。普段の生活では主に首、指、腰、膝などで鳴ることがあると思います。しゃがみこんだ時に膝がポキッとなるのもクラッキング(キャビテーション破壊)です。
もちろん普段の生活でポキポキ鳴る分にはほとんど問題はありません。しかし整骨院や整体の場合、頚椎(首)や腰椎を捻ってポキポキと鳴らすことがあります。これは要注意です。頚椎や腰椎を含めた脊柱(背骨)には神経が通っています。つまり捻り方を少しでも間違えばその神経を傷つけてしまう可能性があり、最悪の場合痛みが増すだけではなく、部分麻痺を引き起こしてしまうケースもあります。もちろんそこまで酷くなくても、過剰に捻れば常に神経が引っ張られたり、圧迫される状態となり、とてもじゃありませんがコンディションの改善に繋がることはありません。
本当に質の高い施術をしてくれる整骨院や整体の先生は、決してポキポキと音を鳴らすことはありません。もちろん体質によっては少し動かしただけでも鳴ってしまうことはあるわけですが、しかし少なくともグッと押し捻り、あえてポキポキ鳴らすようなことは絶対にしません。
さらに信頼できる先生の場合、初診時には必ず30分前後かけてじっくりとコンディションチェックをしてくれます。例えば脚に尖ったものを軽く当てて、左右の脚で反応に差がないかなど(骨盤の歪みチェック)、細かいチェックをすごく丁寧に行ってくれます。しかし平気でポキポキ鳴らす先生の場合、コンディションチェックもそこそこにすぐに施術に入ります。
冒頭でも書いたように、ポキポキとなると気持ちいいものです。しかしこの気持ち良さは一瞬のものです。根本的なコンディショニングの改善にはまったく影響しません。それでも気持ち良さが感じられる分、施術を受ける側からすると「上手い先生」だと勘違いしてしまうのです。繰り返しますがしかしこの気持ち良さは一瞬のものであり、根本的な改善には繋がりません。そのため毎週通う羽目になってしまうのです。
ということで安心できる整骨院や整体の先生を探す場合、無闇にキャビテーション破壊を起こさないということと、初診時にコンディションチェックを時間をかけて行ってくれる、という二点に注意をして探してみてください。ちなみに本当に質の高い施術をしてくれる先生の場合、2〜3回通っただけで体はしっかりと改善へと向かっていきます。よほど酷くない限り、2〜3ヵ月通うようなことはまずありません。毎週必ず整骨院や整体に通っているという方がもしいれば、ドクターショッピングをしてみる良い機会かもしれませんね。