ワインドアップモーションやノーワインドアップから投げる際、軸足を最初からプレートと平行に置いてしまっている投手がいます。しかしこれは投球動作上は、決して良い足の置き方とは言えません。その理由は、軸足がベタ足状態になってしまうためです。
それでは、なぜベタ足が良くないのでしょうか?その理由は並進移動にあります。投手にとっての並進移動とは、ベタ足ではスムーズには行かないのです。そしてベタ足になるということは、軸脚だけで立った際にオンバランスになりやすくなります。するとワインドアップモーションと並進運動との繋ぎ目が上手く行かず、投球動作が何段階かに分離してしまうようになります。
投球動作は一連の動きである必要があります。投球動作は数々の動作が繋がり、一つの動作となるわけですが、その数々の動作はすべて滑らかに繋がっている状態でなくてはいけません。
しかしワインドアップした際、はじめから軸足をプレートと平行にしてしまうと、ベタ足になり、オンバランスになり、並進運動への移行がスムーズに行われなくなってしまいます。そしてこれをスムーズにするためには二段モーションにより動作のきっかけを与えてあげるしかありません。ですが現在二段モーションはルール上禁止されています。
ワインドアップ時、軸足のつま先は捕手方向にまっすぐ向けるようにしましょう。そしてステップする脚の振り上げが開始されるか否かというタイミングで、つま先を90°回転させるようにしてください。さらにこの時ベタ足にするのではなく、体重が足の裏の内側(親指側の側面全体)に乗るようにし、内転筋で立っているという状態にしましょう。すると並進運動への移行がスムーズになり、ボールの勢いも増していくはずです。
ちなみにつま先を90°回転させる際は、90°という角度が重要になります。必ずプレートと平行になるように、90°のポジションが取れるように練習を重ねてください。これが90°以上であったり、90°未満である場合、体が開いたり、逆にクロスステップになってしまうことがあり、球威をばらつかせるだけではなく、制球力の低下にも繋がってしまいます。
ですのでワインドアップやノーワインドアップで投げる際の軸足は、まずはまっすぐ捕手に向け、そこから90°回転させるようにしてください。この動作は投球動作のまさにスタート地点となり、想像以上に投球動作に影響を与えることがあります。頭ではなく体が覚えていくように、繰り返し何度もトレーニングするようにしてください。