DIPCA.3というテストで導かれた女子選手の特性
心理的競技能力診断検査(DIPCA.3)というテストがあるのですが、2,000人近い日本人アスリートを対象に行われたこの診断によると、女子アスリートは男子に比べると自信、精神的安定、集中力が低いという結果が出たそうです。逆に協調性や受容性は男子よりも高いという結果になりました。
そして女子選手は、コーチやチームメイトから自分がどう思われているのかを強く意識する傾向にあります。これが何を意味しているのかと言うと、女子選手の場合、コーチのちょっとした言葉によって選手生命が左右しかねないということです。コーチもやはり人間です。時には感情に任せて物を言ってしまうこともあります。しかしその言葉が選手を壊してしまうこともあるんです。
特に野球というスポーツは令和になった今でさえ男性社会です。男子選手によって日本の野球界は発展してきたわけですが、それも大きく影響するのでしょう。高校球児なら誰もが夢見る甲子園大会にも、女子選手は今だに出場することが許されてはいません。例え男子選手よりも野球が上手かったとしても。
男性コーチが女子選手を指導する際の注意点
男性コーチが女子選手を指導する際、まず重要なのがスタンスを明確にすることと、公平性を決して失わないということです。
スタンスを明確にするととは、例えばコーチと選手は競技以外での関係は一切断つことなどが考えられます。その他ではチャンスは必ず平等に与えることや、名前は全員苗字、もしくは名前で統一的に呼ぶ、などがあります。例えばほとんどの選手を苗字で呼び捨てているのに、ある1人だけを名前で呼べばそれは公平性を失うばかりではなく、スタンスにもブレが生じてしまいます。
女子選手の立場からすると、自分だけ名前で呼ばれている状況は贔屓をされているような印象を受けるため、状況としては好ましいとは言えません。また、その他の選手に対して嫉妬心を植えつけてしまい、結果その選手1人をチーム内で孤立させてしまうことにも繋がりかねません。もしその選手がチームの主力選手であった場合、主力選手が孤立してしまえばチームは強くなることはできなくなります。
指導者は自らのスタンスを女子選手たちに伝え続けることが重要
このような不協和音を生じさせないためにも、コーチは選手に対し、明確なスタンスを日々伝える必要があります。1回だけ言ってもそれは伝えた内には入りません。コーチの言葉は、選手がしっかりと理解してこそ初めて伝えたことになるのです。繰り返し自らのスタンスを選手に言葉で伝え、そして実際の行動で伝える。これが重要です。コーチは、常に自分の存在が女子選手たちから強く意識されていることを、強く強く意識しなくてはなりません。
上述したようなことは、もちろん男子チームにも起こり得る可能性はあります。しかし女子選手が相手の場合、特に注意が必要なのです。コーチも女性ならばその辺りをしっかり把握されてるケースもありますが、男性コーチが女子選手を指導する際は、コーチは十分過ぎる注意が必要だということを肝に銘じておいてください。