ピッチャーの肘はどういう理由で下がってしまうのか?!
投げる時に肘が下がってしまうと、ピッチャーにとってそれは大きなダメージとなってしまいます。まず肘が下がれば球威が落ち、ボールの伸びもなくなり、変化球の曲がりも早くなり打者に見極められやすくなってしまいます。さらには肘が下がった状態で投げ続けてしまうと肩・肘に大きな負担を強いることになり、肩痛や肘痛を引き起こしてしまいます。
肘が下がっている主だった原因として考えられるのは、①投げる時の上体の高さ ②オーバースローなのに体幹がグラブ手側に傾かない ③トップポジションが定まっていない ④テイクバック時に肘が背中側に深く入り過ぎている などが考えられます。
肘の高さは腕ではなく、上体の沈み込みで相対的に上げていく
まず①の投げる時の上体の高さですが、これは股関節の硬さと内転筋の弱さにより、ステップ幅を広げられないのが主な原因です。良いピッチャーほど内転筋を疲労やすいというのは、良いピッチャーほど広いステップ幅を使って上体を上手く沈められているということを表しています。また、上体を上手く沈ませることにより、相対的に肘の位置を上げることができるわけです。肘の高さは腕そのもので調整するのではなく、上体を沈めることによって、あくまでも相対的に調整するものなのです。
②のオーバースローなのに体幹がグラブ手側に傾かないというのは、腕や肘だけを上に上げようとして投げているということです。この場合、肘や腕を上げることに意識が働いてしまうと、片線分よりも肘が高くなり過ぎてしまいます。逆に何も気にせず投げると、サイドスローのようなオーバースローになります。このどちらの場合においても肩・肘には大きな負担がかかります。
トップポジションとテイクバックも肘の高さには影響大
③のトップポジションの位置が定まらないというのは、肘の高さはすべてトップポジションの良し悪しで決まるということです。ピッチングフォームの最重要ポイントであるトップポジションがしっかり定まれば、肘は自然と良好な高さをキープしてモーションを進めていくことができます。その結果、ボールリリースも良い形になっていきます。
④のテクバック時に肘が背中側に深く入り過ぎているというのは、テイクバックを肩関節の水平外転によって、必要以上に深く背中側に入れてしまうと、コッキング以降の肩の可動性が狭まり、肘が良好な高さになる前(トップポジションがしっかりと定まる前)にアクセラレーションフェイズに入ってしまいます。
肘が下がってしまう原因のまとめ
これらが、ピッチングで肘が下がってしまう原因の主だったものです。選手によってはもっと別の原因であったり、さらに細かな原因があったりします。ですがこの4つを改善させることができれば、肘が下がることを防ぐことは十分に可能です。
とはいえ、自分自身で間違いなく動作修正することはなかなか難しいことだと思います。少年野球チームのお父さんコーチにしても、理論的に適切な投げ方を学んでいる方はほとんどいらっしゃいません。ですので本当に良い投げ方、つまり怪我を防いで同時に制球力と球速をアップさせられる投げ方を身に付けるためにも、ぜひ僕のオンラインレッスンを受けてみてください。