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スイッチヒッター/switch hitter

スイッチヒッターとは、右でも左でも打てるバッターのことです。通常は右投手の時は左打席、左投手の時は右打席に立ちます。その理由はピッチャーが投げる変化球はカーブ・スライダー系が多いため、ボールに外に逃げて行かれるよりは、近寄ってきてもらう方が打ちやすいためです。ちなみにその昔、南海ホークスにスイッチピッチャーがいました。近田豊年投手です。しかもただのスイッチピッチャーではなく、右はアンダーハンドスロー、左ではオーバーハンドスローで投げていました。スイッチヒッターはどこの球団にも在籍していますが、スイッチピッチャーは後にも先にもプロでは近田投手のみだと思います。

四番打者/cleanup hitter

日本ではそのチームの最強の打者が4番に座ることがほとんどだと思います。そして「四番打者」という呼び名は1つのステイタスとも言えます。メジャーリーグではもちろん fourth hitter とは言いません。もちろん四番目という意味で fourth hitter と言うことはあるかもしれませんが、最強の打者を fourth hitter と言うことはありません。

アメリカでは cleanup hitter と言います。つまり塁上の走者をヒットによって生還させ、塁上を一掃というニュアンスですね。日本では cleanup と言えば3〜5番打者のことを指したりしますが、アメリカで cleannp hitter と言ったら、ほとんどの場合は3番打者のことを指します。日本では4番打者最強論が根強いわけですが、アメリカでは3番最強論が一般的です。

ちなみにシーズン73本塁打した時のバリー・ボンズ選手も、打順は3番でした。彼はまさに最強の cleanup hitter でした。

猛打賞/three-hit game

日本では1試合で3安打すると猛打賞と言いますが、猛打賞に値する英語は特にはありません。ですので1試合で3安打した場合は three-hit game と言います。ちなみに試合2安打以上の場合は multi-hit game と言います。会話の中では three-hit や multi-hit の後ろに必ず game と入れた方がいいと思います。そうしないと1試合で3安打なのか、1シーズンで3安打なのか、いつ3安打したのかがわからなくなってしまいます。

タイムリーヒット/run-scoring hit

日本ではタイムリーヒットのことをタイムリーと言ったりしますが、英語ではタイムリーとは言いません。timely hit と言わなければ野球用語とは認識してもらえないと思います。また、得点を挙げるヒットという意味で、run-scoring hit という言い方の方がナチュラルな気がします。とは、a two-run double(2点タイムリーヒット)と言ったりします。

サヨナラホームラン/game-ending home run

サヨナラホームランはもちろん「good-bye home run」とは言いません(笑)。試合を終わらせるホームランという意味でそのまま、game-ending home run と言います。野球ではサヨナラ=game-ending と覚えておけば大丈夫だと思います。

ゴロ/grounder

ゴロというのは完全なる和製英語です。和製「英語」と言えるのかどうかもわかりませんが、とにかくアメリカで「ゴロ」と言ってもまったく通じません。おそらくアメリカ人は「ゴロ」という野球用語が何なのかも想像できないのではないでしょうか?それくらいゴロという言葉はアメリカでは通じません。

ゴロはグラウンダー、もしくはグラウンドボールと言います。ちなみにグラウンダーという言葉は「ゴロ」という意味の他に、「ゴロを打たせるピッチャー」という意味も持っています。グラウンダーは球数が少なくて済みますし、野手のリズムを良くする効果も期待できます。

ライナー/liner

ライナーとはゴロでもフライでもなく、真っ直ぐ飛んでいく打球のことです。凍ったロープが真っ直ぐに固まることから、英語では frozen rope と表現することもあります。メジャーリーグの実況を聞いていて、frozen rope という言葉が出てきたら、それは強烈なライナーという意味で使われています。

流し打ち/opposite-field hitting

スモールボールを得意とする日本では流し打ちというのはもちろん普通のプレーとなりますが、メジャーリーグでも流し打ちという概念はあります。ただ、日本のようにゴロを転がして進塁打を打つという前提というよりは、インサイドアウトで反対方向に強い打球を打つというニュアンスの方が強くなります。ちなみに進塁打に相当する英語はあまり聞いたことがありませんので、やはり自分が犠牲になって進塁打を打つという概念は、メジャーリーガーは持っていないのだと思います。