メジャーの本塁打が増えたのは打者の技術が向上したから

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近年メジャーリーグでホームラン数が急増していることに関し、あらゆる方々が研究や論文を発表しています。メディアなどでは特に今季2019年は「飛ぶボール」が使われているのではないかという疑惑が多く取沙汰されましたが、僕はそうは思いません。実際、数値測定をする専門家のレポートを読んでも、昨季と今季でボールの質が意図的に変えられたという証拠は見つかっていないことがわかります。ではなぜメジャーではこんなに急激にホームラン数が増えたのか?!

0.025ミリ低くなったメジャーの公式球

もちろん最も大きな要因はフライボールレヴォリューション(フライボール革命)だと思います。バレル打法という科学的根拠に基づいた技術をメジャーリーガーたちがマスターしたことにより、飛距離が格段とアップするようになりました。つまり変わったのはボールの質ではなく、バッターの技術だったのです。

ただし、レポートによるとボールの縫い目の平均高さは昨季と比べると、2019年は0.025ミリ低くなっていたそうです。この数値はもちろん見た目では確認できませんし、普通に売っている定規で計測することもできません。しかし縫い目がわずかに低くなったことにより空気抵抗が小さくなり、飛距離が伸びるようになったと考えることはできそうです。メジャーの投手では、フォークボールやスプリッターが落ちにくくなったと感じている投手も多いようですが、それは空気抵抗が小さくなったことが原因だったのかもしれません。

ですが果たして、わずか0.025ミリの差でそこまでフォークボールの落ち方が変わるものでしょうか。正直言うと、僕はそうは思いません。0.025ミリの縫い目の差が生み出す落差よりも、湿度、気圧、風、コンディション、投球フォームのわずかな誤差が生み出す落差の方がずっと大きいはずだからです。例えば湿度30%と60%の球場では、当然60%の球場の方がボールは重くなりますので、重力の影響も受けやすくなります。

客足を増やすのはホームラン数の増加ではなかった!

10年20年前は、メジャーのオーナーたちも「ホームランの増加が観客数を増やす」と考えていましたが、近年はそれが正しくなかったことに誰もが気付いています。ホームランの増加よりも、試合時間を短縮する方が客足が増えるのです。そのためオーナーたちの中では、飛ぶボールを導入したいと考える人はかなり減ったようです。

飛距離という意味では、投手の質も影響しています。近年はメジャーリーグの投手たちはパワーポジションを意図的に採用するなど、投球術ではなく、パワーピッチで打者を抑えに行く投手が増えてきています。つまり球速ばかりに意識が行ってしまい、投球術を磨いたり、回転数を増やすことに意識を持っていく投手が日本同様に決して多くはありません。そのため球速は速いけどバックスピンが少ないストレートが増え、球速をそのまま飛距離アップに利用されてしまうケースが多々見受けられます。これはトラックマンなどの数値を観察するとよくわかることです。

ピッチャーにとってのバックスピンはバッターにとってのトップスピンであり、トップスピンで打ってもホームランにはなりません。つまりピッチャーが投げるボールのバックスピンが強ければ強いほど、バッターは打球にバックスピンをかけにくくなり、飛距離を伸ばしにくくなるという結果になります。

バーランダー投手でも増やしてしまった被本塁打

アメリカには科学的に数値を出しながらコーチングを受けられる野球専門のジムがいくつかあります。そのようなジムに通ったり、自らパーソナルコーチを付けて技術を学んでいる投手は、ストレートの回転数がけた違いに多く、毎年のように15勝、もしくはそれ以上勝ち続けることができています。

野球のデータも、もっとセグメントを絞って数値を出す必要があるかもしれません。例えばバレル打法を身に付けている打者vsバックスピンの質が一級品の投手、というように。当然メジャーリーグでも、一級品レベルの選手よりも、そうではない選手の方が絶対数は圧倒的に多くなります。一級品の技術を持った選手同士の対戦に絞ってデータを出していくと、まったく違った数字になるはずです。

ちなみにボールの中心の6ミリ下を打つと打球は最も遠くへ飛んでいくわけですが、これが7ミリに下になると、ホームランやヒットになる確率は格段に下がってしまいます。つまりピッチャーが投げるボールのバックスピンの質が高いほど、バッターはボールの中心の6ミリ以上下を打つことが多くなり、フライアウトや空振りが多くなるという結果につながっていきます。

打者全盛とも言われるこの時代、メカニクスを学んでそれを投球動作に取り入れる投手がもっと増えていかなければ、ホームラン数を減らせるようにはならないと思います。例えばバーランダー投手は超一流投手であるわけですが、近年は被本塁打数がかなり増えてきています。バーランダー投手の技術がまったく低下していないと仮定しても、打者の技術が向上されているのならば、バーランダー投手の技術も比例して向上しない限り、バーランダー投手の被本塁打数が増えたという結果はまったく不思議ではありません。むしろ自然な流れだったと言えるのではないでしょうか。しかし非本塁打が増えても今季21勝したバーランダー投手は、やはり一流中の一流投手だと言えます。しかもWHIPは0.80とスーパーマンレベルでした!

筆者:カズコーチ(プロフィール)
TeamKazオンライン野球塾 プロ野球選手のパーソナルコーチング、自主トレサポート、動作分析、試合内容分析、小中学生の個人レッスンなどを業務としているプロフェッショナルコーチです。
TeamKazオンライン野球塾主宰
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ビデオの収録内容

講師:カズコーチ
プロ野球選手の個人コーチ・自主トレサポート・動作分析、野球選手を治療するスポーツ外科医や理学療法士へのテクニカルアドバイザー などを務めるプロフェッショナルコーチ。子どもたちの野球肩野球肘を撲滅させるためのレッスンにも尽力。

ビデオの長さ:2時間44分

Chapter1 プロローグ

Chapter2 なぜ野球肘になってしまうのか?
野球肩野球肘になりやすい状況などについて解説

Chapter3 肘を痛めてしまう原因動作

  • 肘の内側を痛めやすい投げ方
  • 野球肘を発症させる内旋型トップポジション
  • トミージョン手術とは?
  • 変化球を投げるとなぜ肘を痛めやすいのか?
  • 内旋型トップポジションで腕をしならせようとすると確実に野球肘になる
  • 上腕三頭筋が原因の野球肘
  • 投球時に肘がロックされやすい変化球
  • 肘がロックされやすいボールの握り方
  • 肘がロックされやすい親指の使い方
  • ネズミ(遊離軟骨)について
  • カタパルト投法で投げると肩も肘も痛める
  • 肘頭を痛めやすい投げ方
  • 肘を痛める間違った肘の先行のさせ方

Chapter4 野球肩になりやすい投げ方

  • 肩を痛めやすいテイクバックの形
  • 肩を痛めやすいコッキングの形
  • ほぼ確実に肩を痛めるパワーポジションからの投球
  • 手投げとは?
  • 左投手特有の肩を痛める投げ方
  • 肩への負荷が大きくなる肘の高さ
  • 肩を痛める間違ったオーバースロー
  • 徐々に肘が下がってしまう理由
  • 野球肩になるボールリリースの形
  • 肩への負荷が高くなる遠心力投法
  • 0ポジションとは?
  • 野球肩になる間違ったスナップスロー
  • 背筋を痛めやすい投球フォーム

Chapter5 野球肩野球肘になりにくい本当に正しい投げ方

  • ワインドアップ・ノーワインドアップ
  • セパレーション
  • テイクバック
  • コッキング
  • トップポジション
  • アクセラレーション
  • ボールリリース
  • フォロースルー
  • エクステンションとは?
  • 一連の動作によるモーション解説
  • 股関節の正しい使い方
  • 股関節を正しい動作で使えていないと、下半身で作ったエネルギーが上半身に伝わらず、結果的に上半身だけに頼った投げ方をするしかなくなる。
  • 股関節を正しい動作で使えるようになると、小柄でも細身でも速いボールを投げられるようになり、さらには怪我なく投げ続けることもできる。
  • 股関節を正しく使った投げ方こそが、肩肘を痛めにくい本当に正しい投げ方
  • 野球肩になりやすく、制球力も低下させてしまう平地での投球練習のやり方
  • お父さんがお子さんとキャッチボールをする際の注意点

Chapter6 肩のコンディショニング

  • 野球肩のセルフチェック法
  • 4種類のインナリング

Chapter7 エピローグ

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