右投右打を右投左打に変えた際のデメリット

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元々は右投げ右打ちの選手が、周囲のアドバイスにより右投げ左打ちに転向するケースは日本ではかなり多いのではないでしょうか。確かに左打ちのメリットは小さくはないと思います。まず単純に、右打席よりも左打席の方が一塁に近くなるため、内野安打を稼ぎやすくなります。さらに左打者の場合はバットを振った勢いをそのまま一塁方向に向けられるため、打った後のスタートも早くなります。

打率を上げるためには確かに内野安打は不可欠かもしれません。現に262安打を放った2004年のイチロー選手は、バントヒットを含めると61本の内野安打を放っています。実にヒットの内23%が内野安打だったということになります。仮にこの内野安打が半数になっていたら、この年の.372という打率は.329まで低下してしまうことになります。こうして考えると、野球は左打ちが絶対的に有利と考えることもできます。しかしLittlerockheartの考え方は少し異なります。

内野安打が不要、と言うつもりはまったくありません。ですが内野安打を増やすために右投げ右打ちを、右投げ左打ちに簡単に変えてしまうことは最善とは考えていません。その理由は、右投げ右打ちを右投げ左打ちに変えてしまうと、ステイバック打法を取り入れることが困難になるためです。ステイバック打法とウェイトシフト打法に関しては、こちらの記事をご参照ください。

プロ野球選手はイチロー選手、松井秀喜選手、栗山巧選手ら、多くの右投げ左打ちの打者がこのことに悩んできました。ステイバックの打ち方の概念としては、利き手の器用さと力強さでボールを押し返すというものがあります。鉛筆や箸、投げる動作が右利きの場合、左手の方が器用で力強いということはほとんどありえません。だからこそ器用で力強い右手をメインとして使って打つというのが、ステイバックの一つの考え方です。

上述した右投げ左打ちの3選手がステイバックで打とうとすると、非利き手を使うことになります。そのためボールを上手く押し返すことができないのです。日本ではあれだけホームランを量産した松井秀喜選手が、メジャーではホームランを量産できなかった理由がここにあります。利き腕の力強さを上手く使えない右投げ左打ちであるために、あれだけ高い技術を持った松井選手であっても、メジャーリーガーの力強いボールを押し返すことができなかったのです。

飛距離に関してもそうですが、ミート力に関しても同様です。非利き手で打つよりも、利き手をメインとして打った時の方が正確性はアップします。しかし日本の指導者の多くは、今現在体重移動による打ち方、つまりウェイトシフト打法の指導しかできていないのが現状です。ステイバックという技術の存在を知らずに指導されている方も、非常に多いようです。

打撃技術の進化をしっかり追いかけていくと、総合的に見るとウェイトシフトよりもステイバックの方が、打率も飛距離もアップしやすくなります。メジャーリーグで長年続けて成績を残しているスラッガーを観察してみると、ほとんどの打者がステイバックで打っています。これはアメリカ球界が、子どものうちからステイバックで打つための技術指導を受けられる環境であるためです。

メジャーリーグよりも技術の進歩(浸透)が遅れ気味の日本とはいえ、きっと10年後には普通にステイバックという技術を誰もが取り入れている環境になっているはずです。その時元々は右投げ右打ちだった選手が、右投げ左打ちに変えてしまっていると、トップハンドが非利き手になってしまい、ステイバックで打てないという現実を突きつけられてしまうのです。

右投げ右打ちを絶対に右投げ左打ちに変えてはいけない、とは言いません。しかしそこをあえて変えるのであれば、上述した内容を吟味した上で覚悟を持って変える必要があるのです。
筆者:カズコーチ(プロフィール)
TeamKazオンライン野球塾 プロ野球選手のパーソナルコーチング、自主トレサポート、動作分析、試合内容分析、小中学生の個人レッスンなどを業務としているプロフェッショナルコーチです。
TeamKazオンライン野球塾主宰
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ビデオの収録内容

講師:カズコーチ
プロ野球選手の個人コーチ・自主トレサポート・動作分析、野球選手を治療するスポーツ外科医や理学療法士へのテクニカルアドバイザー などを務めるプロフェッショナルコーチ。子どもたちの野球肩野球肘を撲滅させるためのレッスンにも尽力。

ビデオの長さ:2時間44分

Chapter1 プロローグ

Chapter2 なぜ野球肘になってしまうのか?
野球肩野球肘になりやすい状況などについて解説

Chapter3 肘を痛めてしまう原因動作

  • 肘の内側を痛めやすい投げ方
  • 野球肘を発症させる内旋型トップポジション
  • トミージョン手術とは?
  • 変化球を投げるとなぜ肘を痛めやすいのか?
  • 内旋型トップポジションで腕をしならせようとすると確実に野球肘になる
  • 上腕三頭筋が原因の野球肘
  • 投球時に肘がロックされやすい変化球
  • 肘がロックされやすいボールの握り方
  • 肘がロックされやすい親指の使い方
  • ネズミ(遊離軟骨)について
  • カタパルト投法で投げると肩も肘も痛める
  • 肘頭を痛めやすい投げ方
  • 肘を痛める間違った肘の先行のさせ方

Chapter4 野球肩になりやすい投げ方

  • 肩を痛めやすいテイクバックの形
  • 肩を痛めやすいコッキングの形
  • ほぼ確実に肩を痛めるパワーポジションからの投球
  • 手投げとは?
  • 左投手特有の肩を痛める投げ方
  • 肩への負荷が大きくなる肘の高さ
  • 肩を痛める間違ったオーバースロー
  • 徐々に肘が下がってしまう理由
  • 野球肩になるボールリリースの形
  • 肩への負荷が高くなる遠心力投法
  • 0ポジションとは?
  • 野球肩になる間違ったスナップスロー
  • 背筋を痛めやすい投球フォーム

Chapter5 野球肩野球肘になりにくい本当に正しい投げ方

  • ワインドアップ・ノーワインドアップ
  • セパレーション
  • テイクバック
  • コッキング
  • トップポジション
  • アクセラレーション
  • ボールリリース
  • フォロースルー
  • エクステンションとは?
  • 一連の動作によるモーション解説
  • 股関節の正しい使い方
  • 股関節を正しい動作で使えていないと、下半身で作ったエネルギーが上半身に伝わらず、結果的に上半身だけに頼った投げ方をするしかなくなる。
  • 股関節を正しい動作で使えるようになると、小柄でも細身でも速いボールを投げられるようになり、さらには怪我なく投げ続けることもできる。
  • 股関節を正しく使った投げ方こそが、肩肘を痛めにくい本当に正しい投げ方
  • 野球肩になりやすく、制球力も低下させてしまう平地での投球練習のやり方
  • お父さんがお子さんとキャッチボールをする際の注意点

Chapter6 肩のコンディショニング

  • 野球肩のセルフチェック法
  • 4種類のインナリング

Chapter7 エピローグ

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