軟式野球で硬式用バットを使うのは格好良いけどやめた方が良い理由

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軟式野球で硬式用バットを使うデメリットとバットの素材の違い

軟式野球で硬式用バットを使うことは、大会によってルールが異なる

こんにちは。僕は普段、野球のプロフェッショナルコーチをしているのですが、選手たちにZOOMレッスンをしていてたまに受ける相談として「軟式球を硬式用バットで打っても大丈夫ですか?」というものがあります。これに関しては、公式戦では基本的に禁止とされる大会が多いようですので、軟式の試合で硬式用バットは基本的には使わない方が無難です。

ただし、草野球の練習試合やローカル大会の場合、特に禁止されていない場合もあります。僕自身大人になってから、助っ人として友人の軟式草野球チームに呼ばれた時に、何気なく愛用の硬式用木製バットを使い、打ち終えた後にそのバットを審判に拾ってもらったことが何度かありますが、一度も注意をされたことはありませんでした。ですので使って良い場合もあるわけですが、大会ルールで禁止されている場合も多いようですので、そこはしっかりと確認するようにしてください。

軟式野球では硬式用バットは使わない方が色々な意味で無難

硬式用バットの強度であれば、軟式球を打ってもバットが折れることはまずありません。もちろん軟式用バットでは硬式球を打ってはいけませんが。このように、軟式野球で硬式用バットを使うことは、バットの安全面においては基本的にはまったく問題ありません。

ですがパフォーマンスの質ということを考えていくと、やはり軟式野球では軟式用バットを使った方が良い、という結果になります。ただ、絶対的なパワーやスウィング速度があれば、これから書き進める内容はまったく無意味なものとなりますので、あらかじめご了承ください。

軟式用バットと硬式用バットの重さの差は30%

まず軟式用バットと硬式用バットを比べた時、強度以外に何が違うかと言えば重さです。軟式用バットは大人の場合650〜700g程度が一般的には多いと思うのですが、硬式用バットになると900g前後が多くなります。単純に200g以上違うと仮定すると、硬式用バットの重量は、軟式用バットの重さの30%増ということになります。この重量増は、軟式球では大きな影響を受けることになります。

スウィング速度にほとんど差がないと仮定をすると、より重いバットでボールを打った時の方がインパクトの衝撃は大きくなります。すると軟式球もその分大きく潰されてしまうことになります。インパクト時にボールが潰れてしまうと、潰れてしまった分だけ反発力が相殺され、飛距離を縮めてしまいます。

ちなみにビヨンドなどの軟式用複合バットは、インパクト時にボールを潰さないようにあのようなラバー構造(ポリウレタン)になっているのです。ボールが潰れないので(逆にバット側を潰す)反発力を維持でき、飛距離を伸ばせるというわけです。

参考記事:ビヨンドで飛距離がアップする理由と使うデメリット

硬式用バットで軟式球を打つとインパクトが強くなりすぎる?!

軟式球の場合、インパクト時にボールが潰れない方が反発力が大きくなり、打球の飛距離を伸ばすことができます。そういう意味において物理学的には、軟式野球の場合は重い硬式用バットよりは、軟式球を打つための規格で作られた軟式用バットで打った時の方がパフォーマンスは向上しやすいと言えます。

ただしバットは軽過ぎてもあまり良くはありません。軽過ぎるバットを使ってしまうと「速度×重量」で計算されるパワーが小さくなってしまい、理想のインパクトの衝撃力に届かなくなり、振りやすさが向上したとしても打球の速度や飛距離は大幅に低下してしまいます。

参考記事:バッティングパワーの計算式。打者のパワーはこうやって測る!

ビヨンドなどの複合バットは、本気度の高い選手にはオススメできない!

将来的に硬式野球に進み、更に上のレベルの野球を目指したいという選手には決してオススメできないのですが、しかし草野球や、軟式以外の野球をやる予定のない選手であれば、ビヨンドであったり、インパクト時にボールがバットの表面を滑らないように作られた特殊な形状のバットを使うのも決して悪いことではないと思います。週1回の野球で、打者としてそれでパフォーマンスがアップするのであれば、野球が更に楽しくなると思います。

ただ、ビヨンドのようなラバー構造のバットは消耗品となります。練習で多用したり、バッティングセンターで使うことは極力避けるようにしてください。ラバー構造バットの場合、少しでもラバーに亀裂が入っていたりするとパフォーマンスが低下するだけではなく、破損による怪我にも繋がってしまいますのでご注意ください。ちなみにプロウレタン製ラバーの交換には1〜2万円かかります。

軟式用バットと硬式用バットの素材の違い

金属バットという枠で見ると、軟式用バットはアルミなど軽い金属素材で作られていることが多い反面、硬式用は超超ジュラルミンという非常に硬い素材で作られていることが多くなります。超超ジュラルミン製のバットで、例えば現役バリバリの硬式野球選手が軟式球を打つと、ボールがすぐに破損してしまうことにも繋がりますので、少なくとも硬式用バットで普通にフルスウィングできるバッターは、やはり軟式野球の試合で硬式用バットを使うことは避けた方が良いと思います。

逆に硬式野球の試合では、強烈すぎるピッチャーライナーを打てないようにし、打球が直撃してピッチャーが怪我をしないように、軽すぎるバットの利用は禁止されています。ある程度の重さがあるバットで、全力で振ったとしてもある程度スウィング速度が低下するように設計されています。ですので結論としてはやはり、軟式野球では軟式用バットを使い、硬式野球では硬式用バットを使うことがベストとなります。

高校や大学の野球部でバリバリとプレーしていた方の場合、大人になってからの草野球でも硬式用バットの方が振りやすいということはあると思います。ですが軟式野球を最大限楽しむためには、やはり草野球は軟式用バットを利用された方がいいと思います。

逆に、大事なのでもう一度書きますが、軟式用バットで硬式球を打つことは絶対にやめてください。バットを購入すると、バットの破損が原因で怪我をした場合の保険も自動的に付帯してくるのですが、軟式用バットで硬式球を打ち、バットの破損によって万が一怪我をしてしまっても、推奨された利用方法ではありませんので、保険適用外となってしまいます。

飛距離が一番伸びるのは実は木製バット

最後に付け加えておくと、バッティングスキルが高くなってくると、実は金属バット以上に飛距離を伸ばせるのは木製バット(特にアオダモ)なんです。興味がある方は、下のコラムもチェックしてみてください。ちなみに僕がコーチをしているZOOMレッスン野球塾でも、硬式野球でプレーをしている選手には木製バットの本当に正しい使い方もレッスンしています。

参考記事:実は金属バット以上に飛距離を伸ばせる木製バット

バッティングはバットを使うプレーになるわけですが、バットを使うわけなので、やはりバットの性格をしっかりと把握しておかないと、手に持ったそのバットのパフォーマンスを最大限引き出すことはできません。ですので硬式野球でも軟式野球でも、ボールに合ったバットを適切に選び、そのバットの性格をしっかりと把握した上でバットのパフォーマンスを最大限引き出せるバッターになっていってください。

筆者:カズコーチ(プロフィール)
TeamKazオンライン野球塾 プロ野球選手のパーソナルコーチング、自主トレサポート、動作分析、試合内容分析、小中学生の個人レッスンなどを業務としているプロフェッショナルコーチです。
TeamKazオンライン野球塾主宰
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ビデオの収録内容

講師:カズコーチ
プロ野球選手の個人コーチ・自主トレサポート・動作分析、野球選手を治療するスポーツ外科医や理学療法士へのテクニカルアドバイザー などを務めるプロフェッショナルコーチ。子どもたちの野球肩野球肘を撲滅させるためのレッスンにも尽力。

ビデオの長さ:2時間44分

Chapter1 プロローグ

Chapter2 なぜ野球肘になってしまうのか?
野球肩野球肘になりやすい状況などについて解説

Chapter3 肘を痛めてしまう原因動作

  • 肘の内側を痛めやすい投げ方
  • 野球肘を発症させる内旋型トップポジション
  • トミージョン手術とは?
  • 変化球を投げるとなぜ肘を痛めやすいのか?
  • 内旋型トップポジションで腕をしならせようとすると確実に野球肘になる
  • 上腕三頭筋が原因の野球肘
  • 投球時に肘がロックされやすい変化球
  • 肘がロックされやすいボールの握り方
  • 肘がロックされやすい親指の使い方
  • ネズミ(遊離軟骨)について
  • カタパルト投法で投げると肩も肘も痛める
  • 肘頭を痛めやすい投げ方
  • 肘を痛める間違った肘の先行のさせ方

Chapter4 野球肩になりやすい投げ方

  • 肩を痛めやすいテイクバックの形
  • 肩を痛めやすいコッキングの形
  • ほぼ確実に肩を痛めるパワーポジションからの投球
  • 手投げとは?
  • 左投手特有の肩を痛める投げ方
  • 肩への負荷が大きくなる肘の高さ
  • 肩を痛める間違ったオーバースロー
  • 徐々に肘が下がってしまう理由
  • 野球肩になるボールリリースの形
  • 肩への負荷が高くなる遠心力投法
  • 0ポジションとは?
  • 野球肩になる間違ったスナップスロー
  • 背筋を痛めやすい投球フォーム

Chapter5 野球肩野球肘になりにくい本当に正しい投げ方

  • ワインドアップ・ノーワインドアップ
  • セパレーション
  • テイクバック
  • コッキング
  • トップポジション
  • アクセラレーション
  • ボールリリース
  • フォロースルー
  • エクステンションとは?
  • 一連の動作によるモーション解説
  • 股関節の正しい使い方
  • 股関節を正しい動作で使えていないと、下半身で作ったエネルギーが上半身に伝わらず、結果的に上半身だけに頼った投げ方をするしかなくなる。
  • 股関節を正しい動作で使えるようになると、小柄でも細身でも速いボールを投げられるようになり、さらには怪我なく投げ続けることもできる。
  • 股関節を正しく使った投げ方こそが、肩肘を痛めにくい本当に正しい投げ方
  • 野球肩になりやすく、制球力も低下させてしまう平地での投球練習のやり方
  • お父さんがお子さんとキャッチボールをする際の注意点

Chapter6 肩のコンディショニング

  • 野球肩のセルフチェック法
  • 4種類のインナリング

Chapter7 エピローグ

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